医療産業廃棄物の闇は放射能汚染被害であったのか。

 先に書いた文章が「寒くなった」と好評なので、とりあえず書けることから書いて行きたい。推論混じりの文章であり、真偽については保証できないことを事前にお断りしておきたい。推論箇所は「推論である」と注釈を入れる。

1.所沢ダイオキシン闘争
 昔、狭山ヶ丘のオギノエン・ファームの援農に幾度か行った。おぎのさんは所沢市を相手にダイオキシン行政訴訟を闘っていた。最高裁まで争ったが、残念なことに敗訴となった。父親が農薬暴露が原因で怪我を負ったので、ご自身は有機農業を実践されていた。
 例のニュースステーションにおけるダイオキシン汚染報道はおぎのさんが検査を頼んでいたものを、青山貞一が功名心にかられて勝手に発表してしまい騒動となった。おぎのさんはいずれ発表するつもりであったとおっしゃっていたが、報道後には「○すぞ!」と電話がかかってきたり、文字通り周囲から総スカン状態となって、かなり困った状況に陥ったようだ。 おぎのさんと交流のあった茨城県龍ヶ崎市では金子さんがダイオキシン汚染訴訟で敗訴、次は重金属汚染で訴訟を起こすとおっしゃっていた。一方では放射能測定も行なっていると言っていた。
 ダイオキシン測定は摂南大学宮田秀明氏に依頼していたいが、金子氏はその内実を私に暴露してくれた。行政側が依頼すると低い数値を出して、住民側が依頼すると高い数値を出すそうである。ダイオキシン測定において検体を洗浄すれば数値は低くなるし、洗浄前に検査すれば数値は高くなる。葉っぱの表は高いし、裏は低い。検体の取り扱いいかんで、数値が触れる。というのも、ものすごい小さい単位であるからである。
 面識のあった食品会社の研究職にある人物がダイオキシン汚染のピコという単位は「一兆分の一だよ」と、暗に汚染原因としては否定的な見解を述べていた。だが、シーア・コルボーンの「奪われし未来」を熱心に薦めていた。「奪われし未来」はアメリ五大湖の「環境ホルモン」問題を調査した本である。環境ホルモンダイオキシン類を指す。
 確かに所沢産廃銀座と呼ばれた周辺では健康被害多発していた。ダイオキシンが原因であるか否か判断できない。ダイオキシン類でも対人毒性が極めて高い分子構造を持つものは極わずかなのも事実である。

2.所沢産廃銀座周辺における健康被害
 新進党(当時)が国会で所沢市におけるダイオキシン被害について国会で厚生労働省を追求した。流産の多発と、手首から先がない子供(写真を掲げて)が生まれたと。厚労省ダイオキシン汚染との関連について否定的な見解を示した。
 廃棄物の焼却といっても煙突が10m程度の簡易的な炉でもうもうと煙を吹き上げて「操業」している業者がいくつも存在した。4Km以上も離れている私の住んでいるところへも夜になると何かを燃やしたような異様な匂いが漂ってきた。焼却業者の至近距離を車で通過すると、前方の視界が遮られるほどの煙が充満している地域もあった。
 幸か不幸か、私の住んでいるふじみ野市の隣町が「産廃銀座」の震源地であったので、知人が幾人かいた。なぜか病んでいる人が多かったのである。
 精神病を患って長期休職中の人
 酷いアトピーの人
 癌による病死
などの人々がいた。
 周囲の動物にも変化が見られ、飛べなくなった鳥を見たという証言も得た。
産廃業者に隣接する市立柳瀬中学校の女生徒が校庭で運動中に突然死したという事も聞いた。
 だが、私は疑念を持った。産廃業者の隣で突然死とは?原因は何か?と。ダイオキシンや重金属では突然死はしない。化学物質漏洩なら、周囲の人間にも変化が見られたであろう。突然死の原因は個人的な疾病なのか、とその時は結論づけた。
 ダイオキシン闘争も下火になった頃、市民団体の人に誘導されながら、関連施設を見て回った。所沢市狭山市三芳町の境目付近に存在する「原発銀座」も見て回った。ドーベルマンを飼って、近寄る者を威嚇している業者もあった。よく見ると道がこんもりと盛り上がっている。焼却灰を道に刷り込んでいるので、凸状になっているそうだ。産廃業者も焼却灰を敷地に鋤き込んで、敷地がせり上がっているところもある。
 で、医療産業廃棄物引受業者の前に来た。何か燻っているようで煙い。最盛期に抗議活動に来た若い学生の中には、その業者の敷地前に来たら「鼻血」が出たそうである。
 ここで、また疑念が首をもたげた「鼻血」がでる原因とは?何があるのだろうかと。

3.伊丹十三監督の遺言「医療産業廃棄物の闇」
 伊丹十三氏が自殺した時に「原因」が諸説飛び交った。間違いないのは自殺はあり得ず、他殺であろうということだ。最後に取り組んだ未完成のドキュメンタリー「医療産業廃棄物の闇」が、死後NHKで放送された。ここは推論だが、この作品が遺言になったのであれば、遺言であるこの作品が他殺の引き金になった可能性が高いのではなかろうかと。視聴後感じたのは「普通のドキュメンタリー」だなと。医療産業廃棄物回収を筋の悪そうな業者が利権化してる、といった感じの内容だった。
 所沢ダイオキシン闘争激震地である「産廃銀座」の中枢は「医療産業廃棄物引受業者」であった。これまた推論だが、放射能汚染されたものも一緒くたにして焼却していたのではなかろうかと。業者前で鼻血が出たのは「α線核種による被曝」で説明がつく。柳瀬中学校の女学生突然死も放射能被曝なら説明できるし、流産多発や奇形児出産も説明できる。
 ちなみに、浜岡原発ではタイベックスなどの放射能汚染されたものは、敷地内の焼却施設で焼却処分されている言われている。島田市がバグフィルターのセシウム補足率調査を京都大へ依頼したところ、補足できるのは3割程度であった。そのフィルターも洗って幾度か使った後、焼却処分してしまうそうだ。
 「医療産業廃棄物の闇」は放射能汚染問題へ踏み込む危険があった、そして、その危険を回避するために伊丹監督は抹殺された。私はそのように考えている。

4.ダイオキシンの危険性が喧伝されたのは、放射能汚染被害隠蔽のためか?
 もっとも龍ケ崎の金子さんは焼却場が放出する放射能汚染を疑っていた。50万円もする放射能測定器を持っていると言っていた。だが、他行政の焼却場敷地からダイオキシンが発見されて、土の入れ替えが行われたなどと、ダイオキシン汚染が喧伝され、判断は引きずられた。
 シーア・コルボーンの「奪われし未来」にも疑問がある。五大湖周辺には原発が多数あり、膨大なトリチウム希ガス類が川を伝って流れ込んでいる。姉はイリノイ州ロックフォードに居たことがある。ロックフォードは原発城下町であり、ホストマザーは胃がんになっており、姉も精神を患い帰国後悪性リンパ腫を発症した。
 であるから、五大湖の生物に対する影響が本当にダイオキシンなのか疑問があり、むしろ放射性物質による影響なのではないかと推測される。
 私の持論で「立花隆が書くことは全部ウソ」というのがある。優れた技術がありますよ〜という技術紹介は本当だが、それ以外はすべてウソであると見ている。善意に解釈すると、本人に真偽を査定する能力がないところを見込まれて、原稿依頼が来ているのかもしれない。
 「環境ホルモン入門 - 立花隆, 東京大学教養学部立花隆ゼミ」という本がある。序論にはご丁寧にも個人名は避けながらも、おぎのさん、金子さん、宮田秀明教授がダイオキシン闘争の重要人物であると指摘している。内容は学生に書かせたのでかなり専門的である。
 立花隆が書いたから、何か謀略があるというのは暴論というよりも狂気の理屈だとしか、我ながら思えない。当たり前だが、アポロは月には行っていないし、月面の写真も映像もスタジオ撮影である。現場に携わる人ならすぐに分かる。ロケットの推力や耐熱などの熱力学的にも無理であるし、そもそも太陽から来る放射線が強くて、ヴァン・アレン帯以下しか人間は生存できない。
 立花隆が第一次安倍晋三政権を非難していたのは、米国が要求する30兆円を安倍が用意できなかったからだろう。第二次安倍政権は生保・損保の機関投資家に50兆円米国債を買わせる事を宣言して成立したが、どこぞのバカな保険会社が2000億円買った程度の様相であり、安倍は訪米したら、ペットボトルの水を1本与えられて追い返された。
 
5.万病の元である放射能が焼却場から降り注ぐ
 放射能というと病理的な因果関係は甲状腺癌しか認められていないが、実際には循環器系の疾病や内蔵機能への打撃、そして、脳機能低下などが発生する。放射能は免疫力低下も含めておおよそあらゆる疾病を誘発する万病の元であり、精神病が増えているのも放射能による影響が否定できない。放射能による脳中枢への打撃は睡眠障害摂食障害などを顕在化させる。私も朝までぐっすり快眠したことが無くなった。なぜか一度途中で起きる。激務で疲労してても同じである。寝れないのは困るので、焼酎を飲んで「強制シャットダウン」させている始末である。
 話を戻すと、東日本一帯が高濃度に放射能汚染されてしまった今となっては所沢産廃銀座の汚染問題も過去の物となってしまったといえる。煙突が低かったせいか、被害の範囲はかなり局所的であったようにも見受けられた。
 3・11後、放射能は広範囲に降り注ぎ、放射能汚染された物資が環境センターに持ち込まれ焼却処理された。千葉県柏市では焼却灰の汚染度が高く、行政側が処分に困っているとの報道もあった。世田谷区では千歳環境センター周辺で高濃度の放射能汚染が発見された。焼却によって煙突から出た放射能が雨で叩き落とされて都市濃縮されたと考えられる。つまり、ゴミを焼却している施設自体が放射能噴出装置と化しており、近距離居住者は激しい放射能汚染に晒されている可能性が高いのである。


(参考)
再び、所沢市周辺の産廃銀座へ
http://www2u.biglobe.ne.jp/GOMIKAN/sun5/sun61b.htm