格差社会深化の後、津波のごとく押し寄せる国家破産によって、押し流

Takaon2007-10-18

○真の困難はこれからやってくる
 格差社会は確かに問題であり、その改善には政権交代が必要とされているのは自明である。労働法制・税制の改悪により、職の不安定や低所得者に対する課税強化や富裕層や高収益法人に対する減税処置が継続している。自由貿易により、ワールドワイド一物一価体制になり、価格競争に耐えられない国内産業の転出が続いている。この産業空洞化も格差社会成因の一つである。
 この格差社会に困窮する人達にとっては塗炭の苦しみにである現状であるが、やがて迫りくる国家破産が到来した折りには中産階級層も没落を余儀なくされる。なぜなら、円という通貨価値が大幅に下落するからである。我々は今が苦しい人はより苦しく、今はそれほど苦しくない人でも苦しくなる時代に突入するのだ。

○日本の破産処理はアメリカが勝手に決める
 1998年に「ハーバード・レポート」が提案され、ローレンス・リンゼーを直接の親分とし、背後にディビット・ロックフェラーが控えている竹中平蔵は国内でハーバード・レポートを実施した。
レポート内容は以下の通り
?日本は金融機関が過剰なので、不良債権処理が進まない。都銀は2〜3行、信託は1〜2行、地銀と第2地銀は半分に減らす。
?低金利政策は維持する。
?日本の護送船団方式は市場原理に反するので廃止する。
?不良債権を抱えたゾンビ企業は即刻処理する。
都銀・信託は整理されたが、地方銀行は優良銀行が多く足利銀行だけ処理された。日銀の量的緩和は終わったが、低金利政策はは維持された。日銀による融資指導廃止、談合告発制度によって護送船団方式が弱まった。マイカル・ダイエー・ミサワ建設などが処理された。
 しかし、これが日本経済にとって良かったとは言えない。日本経済の発展は銀行融資による間接金融制度の充実があった。銀行が企業の設備投資を後押しして長期的に面倒をみることによって、企業存続が担保された。そういった、日本の古き良き企業社会を破壊することは日本にとって良いことではないだろう。アメリカの手先はアメリカのために、日本社会をアメリカのルールに変更してしまった。

ブッシュ政権内の対日政策官D・アッシャーによる「アッシャー・レポート」は5つの構造改革を迫っている。
?過大な負債(Debt)
?デフレ化した資産市場(Deflation)
?債務不履行の急増(Default)
?高齢化社会への移行(Demograhpy)
?生産性の悪化と過剰な規制(Deregulation)
であり、この5つを即刻改善する必要があるという。
過大な負債は金利上昇によって顕在化するだろう。個人的な体験では債務不履行は増加している。高齢化社会はまったなし。生産性は上昇していると思われる。規制はある程度必要である。

ネバダレポートは公務員給与のカットや公務員数の削減を提案しているが、当面実施されず、先に国民資産の略奪が行われているので、省略する。

郵貯簡保・年金
 郵便貯金残高は03年度末の227兆円から06年度末には187兆円まで減った。簡易保険総資産残高116兆円である。
ゆうちょ銀行は国債が136兆円。財政融資資金預託金が24兆円。との合計160兆円が全体の85%が国民が負担する借金である。
簡保の運用構成はわからないが、郵貯簡保もほぼ同じような運用構成ではなかろうか?年金資金はもっと高い比率で国際や財投債・財投機関債を買っているだろう。
年金の積み立て残高は総額推定で、442兆円である。
国債+地方債-重複分=1161兆円である。

さて、消費税値上げが議論されているが、もう年金資金で年金が払えないのである。預託金一杯に国債・財投債を買い上げてしまったからである。
特別会計を通じて20数兆円の国債消却を行なって2008年度は凌ぐ模様であるが、何せ、郵貯簡保の縮小が続いており、年金の給付額は増える傾向にある。

金利上昇で国家破産
 低金利政策で積立型生命保険の利率が切り下げられた。生保の社員がひょっこりやってきて
「こんなん切り下がりました〜」
と抜け抜けと書面を置いていくのである。
詐欺だと思うのだが、刃傷沙汰になったという話しは聞かない。
と、一方で、低金利で住宅ローンを組んだ人は、利息が少なくなった分、得?をしたのだが、今後コールレート政策金利の上昇→国債金利の上昇→住宅ローン金利の上昇で、住宅ローン破産が増加すると思われる。
金利政策と取っている一方で、アメリカ銀行や国内銀行資本に支援によるサラ金業者の横行で高利で苦しんでいる。サラ金には手を出さないようにすべきである。借金と金利については中学校や高校で教育すべきだろう。
日本政府も巨額の債務を抱えて、政策金利が3.5%になると利払いの増加で予算が組めなくなる。
財務省は来年度からは特別会計も公開するそうである。でてくる財務諸表にウソが無いことを祈りたい。
景気が過熱すると税収が増えるよりも、国債・地方債などの利払いの方が増加して、国家破産に到る危険な状態にあるのが今の日本である。

○コストプッシュインフレ懸念
 長らくデフレ経済に慣れてしまった人々には資材価格高騰によるインフレの到来は身に堪えるだろう。原油穀物の上昇もさることながら、金属関係はものすごいことになっている。
鉛価格リアルタイムチャート
http://lead-market.seesaa.net/
鉛価格が騰勢を強めている上に、LME鉛在庫が急減している
アルミニウム価格リアルタイムチャート
http://aluminum-market.seesaa.net/
このチャートだと価格が膠着状態だが、市場インゴット価格では1kg=350円である。
1kg=1000円を超えると、1円=1gなので、市場から1円玉が消える可能性がある(^-^;
ガソリン 1リットル 145円も視野に入ってきた。
遂に小麦や紙も1割から2割ぐらい値上がりした。
木材価格はコンパネは少し値下がりしたが、アピトン等の特殊な材は暴騰したままである。
ということで、これらの資材価格高騰はイラク戦争を終わらせないと終わらない。イラン戦争が勃発すれば、1バレル=200ドルで日本経済は崩壊すると言われている。

○日本国民の意識次第で世界の運命が変る
 古来から皆んなで祈れば通ずると言われるが、祈った後にその意志を実現するために行動すれば世界は変るだろうし、何もしなければ、座して多くの人達の死に直面するだろう。
現在、我々日本国はアメリカの属国から経済植民地に成り下がった。アメリカの経済植民地になった国はほぼ例外なく国家破産している。その観点からも日本の国家破産は避けがたい。しかも、統治の腐敗に比例して債務も積み上がる傾向がある。表面的には1100兆円の債務だが、返済義務のある郵貯簡保・年金マネーを足すと1800兆円超、年金の積み立て不足を含めると2200兆円以上の国家債務が存在すると言われている。
日本も国力がある内は、内政においては財政政策・金融政策・税制などで手の打ちようがあるかと思うし、外交においても国際貿易上のカードを持っている。しかし、国家破産してしまえば、円の通貨価値は暴落して、それらの手段も喪失する。我々国民はアメリカ隷属体制及び国内統治の腐敗による挟撃によって悲惨な運命に陥れられる境遇にある。