Power to the people

ジョン・レノンの歌でパワー・トゥ・ザ・ピープルという曲がある。直訳すると「人民に力を」となる。力といっても様々な力がある。物を運ぶのも力なら、社会を動かすのも力である。
 国家の隆盛は人民の諸力を引き出して効率的に用いることが出来た時に成立する。単に上意下達に従う人民ばかりを育成していては、他国との競争に勝つことはできない。自発的に行動する人民が必要である。

 今回の都知事選挙ほど痛烈にマスコミの威力を感じた選挙はなかった。インターネットの台頭で、情報ルートはある程度分散したとはいえ、殆どの人達はテレビによって情報を受け取る。新聞すらも読まない人が大半だし、仮に読んでも大手新聞も内閣府の世論誘導に加担している。あまりに世論誘導が酷いのでテレビ新聞を見て読んで確認するべきだという意見すらある。新聞は幾ばくか読む意味があるが、テレビは報道としては見るべき番組は極わずかであろう。仮にテレビを見るとしたら、海外で製作されたドキュメンタリー番組でも見たほうがためになる。

 結局の所、自分で情報を集めて、自分で情報発信して内閣府に対抗するしかない。首相官邸前に内閣府は存在し、同じ敷地に「国会記者クラブ会館」を侍らせて言論統制機関として機能している。内閣府内閣官房内閣情報調査室を内包し、CIAのカウンターパートとして機能している。わざわざホームページにでかでかと「CIAのカウンターパートです」と掲げているのだから頭が痛い。他国の諜報機関と通じてると公然と掲げる諜報機関は世界広しといえども日本だけだろう。

 昨今、電通支配を暴露する本は山ほどある。電通ですら陣笠でしかないだろう。本陣は内閣府である。文春や新潮に情報を降ろし、宣撫工作に余念がない。誘導している本丸はアメリカである。反米的な動きを封じるだけでなく、霞ヶ関に抵抗する勢力を叩く。

 反原発反核燃で不慮の死を遂げた人は数多いる。実働部隊を動かしている中枢組織が日本に存在するはずである。恐らく外に名前が出ることのない秘密機関が存在する。横田基地から日本政府に感知されない諜報員がスイスイと入出国しているという噂もある。
 それでも、311後、多くの人達が反核燃の声を上げ始めた。大勢の人たちが怒り始めたので物理的な攻撃による封殺は意味をなさなくなったし、昔と違いネットの発達により闇に葬ることは難しくなった。これにより「反核燃発言が解禁」となったのである。

 特定秘密保護法が2013年12月13日に参議院で可決成立した。施行を待つ段階になっている。基本的に国家機密漏洩を防止するために統治機構に関わる人達に統制を課すという内容であるが、機密情報に触れようとする共同謀議すらも犯罪としている。国会答弁においてブロガーも例外でないとされており、報道機関では無い人達の方がこの法律によって統制を受けるとも言われている。実際に施行されてもいないのにブログを閉鎖した人も出ている。起案は内閣情報調査室によるものとされ、表向きは警察利権の増大だが、アメリカに10年以内の立法を指示されていて、それに従ったとも指摘されている。

 霞ヶ関が恐れるのは統制外の人民が自由意志で対抗してくることである。基本的に言論で対抗すべきである。請願書やパブリックコメント、ブログやツィッターフェイスブックMIXIなどなど、なんでも使うべきである。ブログも複数立てたほうが良い。個人の力は小さいがゆえに、いちいち刑事罰を用いて弾圧しても「帳尻が合わない」。だから、弾圧を恐れることはない。
 アメリカは2001年米国愛国者法が成立している。時限立法であったが、オバマ政権下で恒久法となった。特定秘密保護法は愛国法を下敷きにしているとされる。愛国法では被疑内容が被告に明かされない。特定秘密保護法も同じである。何の秘密で起訴されたのか明かされない。しかも、共同謀議も罪に問われる。愛国法で実際に逮捕されたのは政府関係者が多かったようだ。アメリカにも良心的な人たちがいて、政府の内情を暴露する人たちがいる。そういった人たちを捕まえて収監したようだ。日本でも同じような動きがでるのだろうし、内調が叛乱を鎮圧していくのだろう。
 米国では7万箇所のブログが閉鎖された。それでも、米国ではインターネットラジオやブログで抵抗運動が続いているし、一定の影響力を持っている。日米共に大手メディアは統制されている。日本でもネットで対抗していくべきだ。

 IWJの偏向が酷いとネットで話題になっている。私は会員になってはいなかった。会員になっても見る暇がないのである。デモクラテレビやビデオニュース・ドットコムの無料番組すらも見てる時間がない。原発事故を調査している槌田敦博士のYoutube動画すら全部見ていない。だからIWJの会員になる気持ちはあったが見る時間がないので会員にはならなかった。
 IWJは転んでしまったのだろう。だから無料で有用そうなのだけ見れば良いのであって、お金を払っている人は解約して、自分で言論を紡ぐ事に専心した方が良い。ただ、岩上氏から学んだこともある。「誰もが自分でできることをやるべきだ」という趣旨の御発言をされていた。私もそれに感化された部分がある。
 しがない人民がパワー・トゥ・ザ・ピープルと叫んで立ち上がり、主体的な意思で闘争を始めれば世界は変わるのだ。