丁寧に物事考える。

 これは自分に対する戒めでもあるのだが、多くの人民は単純化して物事を考える傾向がある、のではないかという疑念がある。

 例えば、排外主義の横行は「人種に対するレッテル貼り」であり、人種差別主義者は知能指数が低いという研究結果がある。
 実際は、同じ人種でも多士済済であり、いろんな人がいる。また、人種差別的な見方は国際政治や地政学上においてはかえって邪魔になるだろう。
 支配的地位にいる人は庶民は考え方が違うだろうし、それは日本や米国でも同じことだ。

 被曝だの、原発だの、TPPだの、消費税だの、多くの人はスルーする。
「話題をなかった事にして、他の事を話す」らしい。
被曝問題だと激烈な拒否反応をする人もいる。
 心理的には「その話題を口にしたら、集団から外される」という意識が働くようだ。

 おいおい、ちょっと待てと、懸案事項があったら、内容をきちんと確認して、どうやったら対処できるのか考えるのが経済人だし、社会人だろう、と私は思う。
 被曝なら食べ物を選んで、なるべくホコリを吸い込まないようにマスクするとか、対策はある。
 原発再稼働には反対の意思を表明し、節電に努める。
 TPPも詳しく調べて反対するのと同時に、対策を考えるとか、消費税制の成り立ちや仕組みを調べるとか、いろいろやることはある。

 多くの人にとって、そういうのは面倒なのである。瑣末な問題なら、触れないというのも庶民の知恵かもしれないが、自らの生存を脅かすような事案に対しては、一定程度時間と労力を割いても良いのではないか?

 一言で言えば、「事なかれ主義」の集積が日本の衰退を招いている、と言える。
問題は山積しているのである。私のように、あんまり山積みなると、やる気が無くなってしまうのは良くないが、一つでも二つでもできる事をすべきである。

 例えば御用媒体における総バッシングが起きた時に、「何か裏がある」と感じたとする。実際には米軍と握った検察特捜権力による政治謀略であることが多いのだが、これを推測し、できるだけ裏取りするのは面倒である。
 多くの人は、何も考えずにバッシングに乗っかるのである。思考停止以前に思考しないことにより「省力化」する。
 これを繰り返していると、人民派の政治家が放逐されて、我々の権利や権益がますます剥奪されることになる。

 GHQは将棋を禁止しようとした。
升田幸三棋士Wikiから引用
終戦直後、日本を統治していたGHQが、「将棋は相手から奪った駒を味方として使うことができるが、これは捕虜虐待の思想に繋がる野蛮なゲームである」として禁止しようとした。将棋連盟の代表としてGHQと相対した升田は「将棋は人材を有効に活用する合理的なゲームである。チェスは取った駒を殺すが、これこそ捕虜の虐待ではないか。キングは危なくなるとクイーンを盾にしてまで逃げるが、これは貴殿の民主主義やレディーファーストの思想に反するではないか」と反論した。

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 なぜ、GHQが将棋を禁止しようとしたのか分からない。軍人将棋ならいざしらず、戦国時代を模した遊戯を禁止するのは無理がある。

 これを聞いて感じたのは、将棋はとにかく先の先まで読むことが必要である。囲碁も同じだが、指し手が多すぎて、相手の指し筋を読み切るのは難しい。だが、将棋は一定程度の定石や法則がある。理詰めで相手の指し手を推測する事もできる。
 端的に言えば、将棋に精通すれば、「深読み」する習性を身につけることができる。
この点を米国側は嫌ったのではないか。

 常々私が近年感じるのは、社会問題に対して、1手しか読まない人が多いということである。テレビの言うこと鵜呑みにするだけの人が多いので、ひょっとすると何も考えていないので、0手とも言える。これでは、ダメなのである。うまく丸め込まれてしまう。
 上意下達の組織内で生きていくには、むしろその方が良いのだろう。自発的に考えないで、上から言われた通りにやる。この点は日本人には得意な人が多い。
 ところが、クリエイターだったり、自営業だったり、研究職の人は、自分であれこれ考えないといけない。だらけていると淘汰されてしまう。

 なんて、偉そうなことはまるで言えないのだが、思ったことをそのまま掲載出来てしまうのが、ブログの良い所である。

 さて、今年の3月11日で311から4年経つ。
あまちゃんだTwiterから転載
なぜ5年なのか?
それは細胞の寿命と関係がある
細胞は比較的放射線に強い。相当量の被曝があっても寿命までは機能を維持し続ける
ところが寿命になって細胞を再生する遺伝情報(染色体DNA)は被曝に弱い
転写コピー機能の染色体が放射線でバラバラに切断され、元の情報を失うため再生できない

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 簡単に言うとこういうことなのだろう。強固な細胞膜であっても低線量で長時間放射線にさらされると破壊されるという研究結果もある。
 であるから、新年明けまして、ちっともおめでたくない、と思う。事故後5年が近づいている。疾病や死者の激増が迫っている。
 加えて量的緩和副作用で輸入物価が上昇している。早ければ2015年中にも国債金利上昇が起きるだろう。社債も市中貸出金利も上昇する。破綻企業が増えて、一気に景気は減速する。

 今までのツケが一気に噴出する。原因は内在する。事なかれ主義で手立てをしてこなかった我々人民にも責任がある。だが、危機を迎えても「事なかれ」なので、内や外に敵を作って、世情は騒然となり、更に経済情勢悪化に拍車をかける。