エロパロディ同人誌はオタク産業を滅ぼす 〜あえて表現規制の必要を

Takaon2007-10-24

○エロパロディ同人誌とは何か?
 アニメやゲームのキャラクターを使ってエロマンガを自主出版したものをエロパロディ同人誌と言います。基本的に同人誌=エロパロディ同人誌と同意義で使われていますが、エロでない同人誌もあります。
有名キャラクターを使った同人誌はいかがなものか…
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=24206750&comm_id=189071&page=all
↑このようなトピックもあり、アニメキャラクターの盗用による猥褻描写については批判の声も挙がっております。
都施設でポルノ漫画即売会、過去6回開催
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=321787&media_id=20
↑以後、同人誌即売会は行政の施設を使って行なうことは出来なくなるでしょう。
 コミックマーケット(以後コミケ)なるものがあって、かつては紀宮妃が学習院のマンガ研究会で銀河英雄伝説の同人誌を制作・出店したという噂が流れましたが、真偽の程は定かではありません。コミケが日本最大の同人誌即売会です。かなりの比率でエロパロディ同人誌のブースで占められています。
 地元の友人でコミケのときだけは3倍の速度で動くと言われてる男がいます。コミケのカタログを事前にサーチして、友人達と巡回の分担作業を練ります。そして、開催日前日から徹夜で並んで、開始と同時に可能な限りの巡航速度で決めた順序で回るわけです。そこまで労力と金銭を費やしてまで買うものか?と思うのですが、エロパワーは無尽蔵なのでしょうかねぇ。
 エロパロディ同人誌は黙認されているだけで、著作権違反です。かつて、ピカチューのエロパロディ同人誌を出版して逮捕された女性がいました。ですから、著作権者が対処すれば一網打尽なわけです。かなりグレーな著作物が長い間大量にアングラルートで流通するという事態が続いていました。私はかつて大手サークルの搬入を手伝ったことがあります。1Box車にダンボールを20箱ぐらい積み込んで搬入しました。さぁ、終わりかな?と思いましたら、今度は印刷屋のトラックが降ろしていった同人誌を運び込みます。壁を背にしているサークルは概ね「大手サークル」と呼ばれているところで、壁面一杯に同人誌が積み上がります。そうやって、積み上げた同人誌はわざわざ
「通販用に少量だけ取り分けておきます」
なぜなら確実に全量売り切れるからです。

○エロパロディ同人誌の功罪
 宮台真司という社会学者が児童ポルノ禁止法制定の時に、ロビイングして「子供ポルノアニメ・漫画」を規制対象からはずしてしまいました。宮台氏の主張では、猥褻著作物は統計上犯罪に繋がらないということを主張していましたが、残念ながら彼は社会学者であって経済学者ではありませんでした。この問題はどちらかというと経済的な側面が強いと思います。
 もし、「子供ポルノアニメ・漫画」を規制しておけば同人誌市場は存在しなかったでしょうし、エロゲーム市場も存在しなかったでしょう。労働市場には労働選好性がありまして、儲かるとなればどんどん労働者が流入してきます。大手サークルはコミケで数百万の売上を計上します。印刷屋は比較的低価格で印刷します。なぜか、売り子もボランティアだったりしますので、高い利益率を誇ります。年2回のコミケの売上だけで生活していくことが出来るのです。しかも、ページ数はたいしたこともなく、内容もそれほど稠密というわけでもありません。(見たことあるよ(⌒^⌒)bうふっ)
 同人作家からメジャーデビューした方もいます。アニメ作品も作られました。服飾デザインはアンアンとかノンノを山積みにして参照していました。キャラクターデザインは今風で手堅いというか、よくありがちな感じでした。しかし、残念ながらというか当然ながらというか、それ以後続きません。結局何か伝えたいとかいう強烈な主張はないのです。過去のマンガやアニメへのオマージュは強くあるのですが、それだけです。自分のセンスで再構築しただけでした。
 確かに他の作家も同じとは言えません。江川達也氏のようなメジャー作家がエロ演出を通じて、社会問題を語ることもあります。自身で売るための手段を構築したというような事を豪語していましたが、その手法はエロ演出だったということです。
 かといって、エロ演出はマンガやアニメに必須ではありません。エロ演出に頼らない傑作は山ほどありますし、エロ演出に頼らないのがノーマルなのです。

児童ポルノ禁止法改正について考えましょう。
 野田聖子衆議院議員児童ポルノ禁止法の改正を推進しています。自民党では部会で話し合われる前の段階です。参議院選挙で大敗したので、自民党としては児童ポルノなんかかまっている場合ではないのかもしれませんが、法改正についての動きはあるようです。
1つ目は、単純所持の禁止を盛り込みたい。
2つ目は、子供ポルノアニメ・漫画の取り扱いに関する法律の制定

 単純所持禁止は行きすぎではないでしょうか。

 日本の刑法は制定当時はヨーロッパの影響を受けましたが、現在はアメリカの刑法の影響を受けています。共謀罪アメリカの要望によるものでしょう。アメリカはテロ対策の名目で収容所を作っているようです。テロ協力に関する密告制度もあるようで、無実の証明は被告側にありまして、無実の証明が出来ないと財産没収となるようです。アメリカの民主主義はまやかしなのです。それは選挙制度にも現れています。
 アメリカは投票権利は登録しないと得られません。有権者登録は七割以下で投票率も50%前後で、有権者全体の35%前後の投票率です。日本も参議院選挙では投票葉書には投票所の終了時間が20時までと印刷されているにも関らず、最大4時間も閉鎖時間を繰り上げました。
 アメリカは児童ポルノに対する規制は厳しく、FBIが製造元を摘発を行なっています。アメリカの児童ポルノ取締まりの歴史によれば単純所持の取締まりはあまり効果がなく、製造元や販売元を取り締まる事に重点を置いているようです。日本も出版社を摘発する事例が多いようです。
 ですから、単純所持禁止は必要ないのではないかと思いますし、国民としては司法のための別件逮捕の「ツール」になってしまうことを恐れます。

○わいせつとは何でしょうか?
 耽美主義の谷崎潤一郎細雪」、自然主義?の田山花袋「蒲団」などの小説がエロだとか議論を呼びました。1957年には有名なチャタレー裁判事件が起こります。イギリスの作家D・H・ローレンスの作品『チャタレイ夫人の恋人』を日本語に訳した作家伊藤整と、出版社社長に対して刑法第175条の猥褻物頒布罪が問われた事件です。
最高裁はわいせつの三要素を示しました。
徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、
且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し
善良な性的道義観念に反するものをいう
結果的に検察の猥褻文章の主張を退けて無罪判決に到ります。

細雪」はどんなにエロいのか、日本文学全集から穿くり返して呼んでみましたが、エロ描写は3行程度でした。「蒲団」に到ってはエロ描写そのものがなかったような記憶があります。
チャタレー婦人事件の場合は戦争批判の強さが、刑事告訴の主要因だったと噂されておりますが、結果的に裁判においては表現の自由が優先されました。

・・・ところが、今のエロパロディ同人誌の猥褻描写は強烈です。最高裁の言う所のわいせつ定義そのままです。耽美小説「細雪」がアリババの盗賊団なら、現代エロパロディ同人誌は「アメリカ空軍の大規模爆撃」みたいなものです。しかも、殆どの同人誌では未成年とおぼしきキャラクターの痴態が延々と続くわけです。

 かつて、「衆議院本会議場」で小林興起議員が「遊人」のマンガを手にとってエロ表現規制を訴えました。その後、小林議員は落選の憂き目に遭います。練馬在住のオタクの友人曰く「練馬のオタクを舐めるなよ〜」との事でしたが、オタクの投票行動が影響したとは考えがたいです(^-^;
 しかし、エロパロディ同人誌の退廃の惨状の目の当たりにして、小林興起前議員の主張に正統性が宿ると、私は早くから確信するに到っておりました。
 ですから、小林興起議員(当時)が郵政民営化に反対したときに、これは国運を賭けた政治問題なのだと直感したのです。結果は小泉純一郎の勝利の終わりました。そして、数多くの自殺者が発生し、我々の富が簒奪されようとしているのです。
 小林興起元議員がこそが国士であって、真に「お国のために」仕事をしてきたのです。その観点からも表現規制について多いに議論があっても良いのではないでしょうか?

 最後になりますが、私が達した結論を述べたいと思います。
 私は日本を愛しています。そして、日本のマンガやアニメーション文化を愛しています。私の予想に反して日本アニメーションは隆盛を堅持しています。しかし、膨大なエロパロディ同人誌によってオタク産業の土台が腐って来ています。人によってその見方は変るでしょう。しかし、私はエロパロディ同人誌がオタク産業を滅ぼすような気がしてならないのです。
 ローマ帝国は帝国内部の要因で滅亡したのと同じく、日本オタク産業は他国との競争や経済上の問題ではなくて、モラルの低下によって崩壊するのではないでしょうか?今こそ、「表現規制」について問われなければ、日本オタク産業の未来が危ないでしょう。


■都施設でポルノ漫画即売会、過去6回開催(読売新聞 - 10月22日 14:57)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=321787&media_id=20