「労働契約法」に反対しよう!〜労働分配率が低下すれば、いずれ日本

Takaon2007-11-13

○非戦さんの日記で、「労働契約法」という法律の存在を知りました。
 さて、労働三法は日本国憲法成立を受けて、労働者の権利を具現化する法律でしたが、労働基準法を実質的に無力化する労働契約法なるものの成立が進められようとしているようです。衆議院では既に通過。社民党共産党は反対の意志を表明したようです。民主党が反対すれば、参議院で法案は不成立、廃案となるようですが、予断を許さない状況のようです。

労働分配率の低下は日本の「アメリカ化」
 70年代の日本はインフレ率よりも高い給与水準の伸びを示しました。後に続く80年代の繁栄は労働分配率の上昇によるものです。
 昨今、アメリカは超格差社会に陥り、遂には低所得者向け住宅ローンの債務不履行の増大で、大手金融機関が軒並み巨額損失を計上しています。アメリカの現状は日本の未来を暗示していると言えるでしょう。日本の家計も貯金を減らしており、給与水準の低下は住宅ローン破産世帯を増加させるでしょう。
 法人税率の減税は統計上、労働分配率を低下させることが解っており、現行の法人税水準でもアメリカを下まわっておりますが、経団連は更なる法人税率の引き下げを要求しています。
 そして、労働契約法により、「就業規則による労働条件の不利益変更がいつでも可能」という制度の導入が可能になれば、かつて廃案になったホワイトカラーエグゼンプションどころではないほどに、労働者の権利が低下すると想定されます。
(10条の要件を満たせば、労働条件の変更が可能)

    • 以下転載になります--

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=621466880&owner_id=7788773
全然知らなかった「労働契約法」。
抜け目ない与党が、9日、衆議院を通してしまったそうです。

くわしくは「レイバーネット」のHPで

http://www.labornetjp.org/topics/contract

****HPより一部転載***************

★エー! 労基法がなくなる?

そうなんです。今、厚生労働省で労働者側、経営側、行政側の3者で協議されている労働契約法が通ってしまえば事実上なくなります。

● 残業代支払いは不要に

今年6月に厚生労働省案が示され、その中で「年収400万円以上の事務職は自由に働いてもらっていいいが残業代はつけない」と提案されました。労働者委員は「こんなものは検討に値しない」と席をけり、審議は一時中断しましたが、再開された会合では文言修正・中身はそのままの案が出されています。

● 首切りが原則自由に

「お金を払えば解雇は自由」という提案です。
「解雇には、社会通念上許容できる理由が要る」として示された最高裁判決や、労基法での解雇権の濫用禁止が反故にされます。
 今も予告手当を払えば即日解雇もありですが、たたかって職場復帰も不可能ではありません。
法案が通ると裁判で勝っても職場復帰は不可能になります。
 派遣法の二の舞は許さない
労働基準法はもともと「最低線の労働条件を定めた」ものです。
ところが休暇はとれない、残業代はもらえない、超長時間労働の蔓延で、過労死が国際語にまでなっています。
今回提案の法律が施行されたら、実施条件はどんどん改悪されて全体に広がることは明らかです。労働者派遣法の施行とその範囲拡大が雄弁に語っています。 
この法案は、企業が一方的に定めることを慣行としてきた就業規則を「労働契約」と位置付け、法的な規範を与えるものです。審議の中で、労働者委員が強く問題視した「解雇の金銭解決」や「労使委員会の活用」は見送られましたが、「就業規則による労働条件の不利益変更がいつでも可能」という制度は導入されます。ホワイトカラーイグゼンプションのようにマスコミが大きく取り上げ、世論の批判を浴びた法案については、政治的判断で取り下げられましたが、「労働契約法」についてはほとんど情報が行渡っていません。
就業規則労基法89条により、就業時間、賃金、退職事項、服務規程、出向、配転、懲戒など広範な労働者の権利義務全般について規定するものです。しかし就業規則は、「労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見を聞く」必要はありますが、意見がどうであれ、企業側が一方的に作成したものを労基署に届け出るだけで事足りるのです。

政府案は、第9条で労働条件の不利益変更を禁止しつつも、第10条の但し書きで?労働者の受ける不利益の程度、?労働条件の変更の必要性、?変更後の就業規則の内容の相当性、?労働組合等との交渉の状況、?その他の就業規則の変更に係る事情に照らして「合理的」であれば変更できるとしています。民主党の対案においても、第5条では「合理的な労働条件の定めがあり、労働者に明示すれば使用者との合意を推定する」、第23条では、「使用者の権利の必要性と、労働契約の内容が合理的であれば変更可能」と謳っています。労働者の意見が率直に伝えられると期待することはできません。
政府や野党が示す「合理的」とは、使用者にとっての解釈であって、労働者の意志や労働実態とは無縁のものになりかねません。

ACW2が就業規則に付いてネットでアンケートを取った結果、就業規則を見たことがない人が30%以上、全く見ることができない人が25.2%でした。労働組合が男性主導であることと非正規労働者の増大により、女性が政策決定の場(団体交渉など)から排除されている現状から、就業規則に労働者の意見が反映されることは皆無に等しいといっても過言ではありません。

「労働契約法」が成立すれば、一方的な不利益変更が日常茶飯事になることは容易に想像できます。事実、ACW2が行っている全国一斉のホットラインでも、不利益変更は正規・非正規を問わず使用者側の当然の権利として行使されている実態があります。法制化は、労働者の現状を改善することはなく、一層悪化させる可能性が高いのです。労働者が望んでいるのは、現行の労働基準法労働組合法の強化であり、大きな問題を抱えた労働契約法案が、今国会で廃案になることを強く要望します。

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○ 労働契約法案
(平成19年3月13日提出)
・ 法律案要綱 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-9a.pdf
・ 法律案案文・理由http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-9b.pdf
・ 法律案新旧対照条文http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-9c.pdf
・ 参照条文http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-9d.pdf


労働基準法の一部を改正する法律案
(平成19年3月13日提出)
・ 法律案要綱http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-10a.pdf
・ 法律案案文・理由http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-10b.pdf
・ 法律案新旧対照条文http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-10c.pdf
・ 参照条文http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-10d.pdf


最低賃金法の一部を改正する法律案
(平成19年3月13日提出)
・ 法律案要綱http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-11a.pdf
・ 法律案案文・理由http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-11b.pdf
・ 法律案新旧対照条文http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-11c.pdf
・ 参照条文http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/166-11d.pdf

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厚生労働省が今国会に提出した法律案について
“第166回国会(常会)提出法律案”http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/166.html