副島隆彦・著『ドル亡き後の世界』America Dissolved


○読んでo(^o^)o ワクワクする本
 副島隆彦先生新著、金融本『ドル亡き後の世界』America Dissolvedを一気に読みました。不謹慎ながら読んでワクワクしました。一つに平易な表現を用いた文章と、もう一つには解りやすいアメリカの権力構造解説となっているからだと思います。
 アメリカは2010年3月頃から崩れて2010年の年末には大幅な相場やドル通貨の下落に見舞われるという見通しです。アメリカでは貸出金利の上昇が起きるということです。年率16%とかもあり得るということです。日本も住宅ローンなどの金利が上昇するようです。

アメリカ金融核爆発
 以後、御著書に書かれた内容を踏まえて、私が得た情報を混ぜて今後の展開などについて考えてみたいと思います。
 ロバート・ルービンやローレンス・サマーズがCDSなどの金融派生商品の規制に反対して、膨らみに膨らんだデリバティブ残が金融核爆弾を形成しました。この度めでたく金融核爆弾が炸裂してしまったということのようです。世界決済銀行によるとデリバティブ残高は6京円ぐらいまで達したようです。8京円という数字を挙げる識者も居ます。今のところ溶かしあいをして、4京円の残高があるようです。結果としてアメリカは2000兆円〜4000兆円の不良債権処理をしなくてはならないのですが、すでにFRBは債権・米国債などに引き受けで資産を300兆円まで積み上げており、日銀の112兆円に比べるとおおよそ3倍の規模になっています。特に注目すべきは、流動性を失った住宅公社のGSE債の引き受け手がFRBのみとなりつつあるようです。
 大企業の国有化や大銀行への資本注入を行なっているアメリカは一種の共産化状態を進めており、まさに中央銀行FRBは「3倍資産の赤い奴」とシャア仕様となっております(^-^;

○日本はドル資産を売り逃げ出来ますでしょうか。
 御著書では日本のドル建て資産は800兆円分と指摘しています。ドル切り下げで10分の一になるという予測です。一刻も早くドル資産を処分して、他通貨に換えるか現物資産を購入するかしないといけないのですが、日本が属国状態にあるため、また、ドルを売ればドル価値が下がるという返り血を浴びるのは必至なので、売るに売れない不良資産化しつつあります。
 個人は法人ベースではドル資産を所有していなくても、金融機関が保有している資産が焦げつけば間接的に経済や生活に影響を受けることになります。
 予測するに民主党政権はドル暴落問題を対処することが出来ず、非難の矢面に立たさるでしょう。円の下落により輸入物価が上昇、併せて住宅ローン金利も上昇して、国民生活は厳しいものとなっていくと思われます。年配の方々に70年代のオイルショックの状況を聞いたのですが、銀行の貸出金利が12%になり、払っても払っても元本が減らない状態となったそうです。資材の調達も不自由になったとのことです。

○私は小沢一郎新将軍の独裁を歓迎致します\(^O^)/
 御著書では内政については触れておりませんが、副島先生の小沢評は「真の日本国王」と最大限の賛辞を贈っております。
 顔は人柄を物語ると言われております。予備知識無しに小沢一郎氏に出会ったら100%避けて通りたい風貌です。私が考えるに小沢氏は内政・外交・資源調達と超人的な行動力を誇った民族派保守政治家田中角栄の血脈を受け継ぐ直系の存在として、アメリカからのプレッシャーと対峙し続けて、あの顔つきになられたのだと思います。
 森田実氏や藤原直哉氏らによりますと、請願は幹事長で一本化とか、事業仕訳けの人選がとか、新人は地元の駅立ちをしろと強要したとかで、小沢独裁だという声が上がっております。確かにその通りなのでしょう。しかし、世界規模で見れば、日本はワシントン幕府の外様大名みたいなものです。藩主を支える重臣が、幕藩体制に「一定の異議申し立て」をするのであれば、藩内部の体制を強固なものとせざるをえないでしょう。
 小沢氏は参議院選挙で民主党過半数を占めても、社民党との連立を継続すると明言しております。元々3党の選挙協力の立役者は小沢一郎氏の尽力によるもので、選挙後の情勢変化を受けても共闘体制を維持するということです。社民党国民新党に特段の思想的な思いがあるわけではなく、ただ単に集票能力が有り民族派の勢力であるのなら、労組も含めてすべてを受け入れるということなのでしょう。
 小沢一郎氏は内政面だけで見てると独裁で横暴なのかもしれません。国際関係から見ると小沢氏は悲壮な決意に元に国内勢力を糾合してアメリカと対峙する構えです。
 私達は政府与党の動きを注視すると共に、アメリカ覇権の喪失という大激変の情勢下にて、一人の諸国民として何が出来るのか深く考え、日々の生活に活かすときなのでしょう。

    • 以下転載--

(貼り付け開始)
http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi
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まえがき

あの?9・15リーマン・ショック?から1年が経(た)った。今年(2009年)中は、もうたいしたことは起きない。ただ株がズルズルと下がり、為替でドル安(円高。1ドル=80円台)になってゆく。?ドル安?はもう決まりなのだ。ドル(アメリカ)が弱ったのを見越して、ロンドンの投機筋が襲いかかっている。アメリカ政府はこれに必死の防戦をしている。この攻防戦がしばらく続く。が、どうせドルの負けである。1ドルは60円を目指して落ちてゆく。

次の株式と為替と債券(国債)の暴落が起きるのは来年(2010年)3月だろう。なぜなら2月28日にカナダ・バンクーバーでの冬季オリンピックが終わるからである。

 その後、景気は一度戻す。アメリカの景気が本格的に崩れ出すのは来年7月ごろからであろう。中国で上(シヤン)海(ハイ)万博が開かれるのは5月1日から 10月31日までである。上海万博は何ごともなく終わってゆく。そのあと年末にかけて、いよいよ世界経済はひどいことになる。

私がこれまで他の本たちで書いてきたとおり、アメリカのオバマ政権は長くは保(も)たないだろう。金融危機の責任を取らされて、バラク・オバマは任期半(なか)ばで辞任してゆく。次の大統領はヒラリー・クリントンが取って代わる。2010年末にはアメリカは恐慌に突入する。

 そして2012年に「ドン底」がやってくる。

 おそらく、この「副島シナリオ」どおりに世界は動くだろう。
その後、3年をかけて世界(ワールド・)覇権(ヘジエモニー)はアメリカ合衆国から中国へ移ってゆく。2015年には中国が新たな世界覇権国となる。

私はこれまで直球で自分の予測(予言)を書いて勝負してきた。私はこれまでのところ自分の予測(予言)を外していない。このことを私の本の読者は知ってくれている。予測を大きく外した金融・経済評論家は、客(読者たち)からの信用と評判を落として退場してゆくのである。もうあと何人も残っていない。私はこの本でも直球で勝負する。

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あとがき

 本書『ドル亡き後の世界』は、2009年10月に入ってから私が本気で書き始めた本だ。そして10月末には本になって出版される。この機動力(ヽヽヽ)に勝てる出版人、言論人はこの国にはいない。

?リーマン・ショック?から一周年の日に、バーナンキFRB議長が景気底打ち(底入れ宣言)をした。「景気回復の兆(きざ)しが見えた」と為政者の最高責任者が言って、その直後に崩れるということはない。彼らなりにあれこれ周到な手を打ってからの発言だ。彼ら世界権力者の力を私は甘く見ない。だから景気(経済)が急に崩れるということはない。だがしかし、来年の暮れには分からない、世界中に暗雲が垂(た)れ込めるだろう。

「ドル亡き後の世界」は2012年、すなわち3年後から始まる。その時、「新しい世界銀行」a(ア) New(ニュー) International(インターナシヨナル) Financial(フイナンシヤル) Institution(インステイテユーシヨン) 「新国際金融組織」がユーロ・アジア(ユーラシア大陸)の一国に生まれるだろう。それはカザフスタンという国であろう。いつまでもアメリカ合衆国が世界 (ヘジエモニ)覇(ツク)権国(・ステイト)(世界帝国)であるわけではない。現在ワシントンDCにあるIMF世界銀行体制は、もう保(も)たないのである。

「中国が昇り龍の勢いで次の覇権国を目指す、と言っても、それにはあと20年はかかる」と訳(わけ)知(し)り人間たちが思い違いをしている。世界の動きのスピードの真の速さを彼らは測り間違っている。私の前著『あと5年で中国が世界を制覇する』の中身の重要性を理解しようとしない遅れた考えの者たちだ。彼らは来年の末には慌(あわ)て出し、2012年には血相を変えるだろう。見ものである。

 私は9月末に急いでモンゴルに行ってきた。モンゴルの大平原に立って、見るべきものは見た。どこまでも果てしなく続くこのユーラシア大陸の、その原点(ヽヽ)はモンゴルである。かつて1220年代(チンギス・ハーンの時代)から160年間にわたって?初めての世界帝国?が築かれたことを実感した。私はあらためて、私の先生の一人である岡(おか)田 (だ)英(ひで)弘(ひろ)東京外国語大学名誉教授(78歳でご存命)の歴史学、モンゴル学( Altaic(アルタイツク) Studies(スタデイーズ) )の世界的な学問業績に従おうと思った。

 私たち日本人も実はモンゴル人の一種に違いない。どう考えてもそうである。今も頑張って生きているモンゴルの遊牧民たちにとっては、大平原に恵みの雨が少ないことが嘆きである。この事実はシベリアや旧満州、黄(こう)土(ど)高原からゴビ砂漠タクラマカン砂漠(新(しん)疆(きよう)ウイグル自治区)、そして中央アジア、それからアフガニスタン、中東(ミドル・イースト)全域にわたる共通の悩みである。現地に立ってみてよく分かった。

 ところがこの問題は、白井克彦早稲田大学理工学部教授(現総長)の提案(アイデア)によって本当に解決されるかもしれない。白井教授は「世界中の砂漠やステップ平原の土地の50センチぐらい下に、紙おむつの吸着性素材を敷き詰めればよい」と研究発表した。この技術提案はきっと素晴らしい。どんな乾燥気候も雨がまったく降らないということはない。降る時は降るのである。ユーラシア大陸は保水(ヽヽ)の問題さえ解決すれば、あとはどんなに灼(しやく)熱(ねつ)の砂漠であろうとも、緑の草原に変わる。人間(人類)はそこで生きてゆける。その時、ちょうど500年間続いた?海の時代?(大航海の時代(ザ。グレート・ナビゲーシヨン))が終わり、人類の?新たなる陸の時代?(ユーラシア大陸の時代)が始まるのである。

 私が本書の巻末に載せた、「日本が世界に誇る水と空気をきれいにする企業。新素材、クリーンエネルギーの企業」の一覧を参考にしてください。合図は?日経平均が今の半値の5000円になったら、その時に?である。いいですか、みなさん。

  10月2日にオリンピック(東京五輪)の誘致に失敗した、あの傲慢(ごうまん)な石原(いしはら)慎太郎(しんたろう)・東京都知事が泣いていた。たぶんヨーロッパ貴族たち(神聖ローマ帝国の伝統を引くハプスブルク貴族たち)にまんまと騙されて、彼なりには手痛い打撃を受けたのだろう。今の日本で、日本の一般国民は、東京でスポーツのお祭りなんかやってくれと誰一人望んでいない。2016年のオリンピックは、新興4大国(BRICs(ブリツクス))の一つのブラジル(リオデジャネイロ)に華を持たせるのが、世界の流れだ。そんなことは初めから私には分かっていた。日本国内程度で威張っている田舎者たちには世界の動きは分からない。

 鳩山民主党政権小沢一郎幹事長には、愚劣きわまりない日本官僚(という宦官(ユーナツク)ども)たちを、ひとつ徹底的に粛清(リクイデイシヨン)していただきたい。今のうちにこの日本の100年の宿痾(しゅくあ)を取り除いておかないと、迫り来るアメリカ発大恐慌に対応できなくなってしまう。

 この本も突貫工事で作った。しかし手抜き工事は一切ない。少しでも手を抜いたら精緻(せいち)な構造物は必ずどこかが爆発する。それでも私が齢(よわい) (経年)を重ねた分だけさらに読みやすい文になっていると思う。祥伝社の岡部康彦編集長が「自分がこの一冊を落としたら部下に示しがつかない」と気迫で迫ってきたので、それに応えなければならないと思って早駆けで書いた。記して感謝します。モンゴルの大平原を馬で駆ける喜びをこの齢で知った。

 2009年10月14日
副島隆彦

(貼り付け終わり)

全国民必読の副島氏新著『ドル亡き後の世界』
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