Stereo誌付録ScanSpeak 5cmを使ったスピーカーシステム視聴体験記

写真はスパイラルホーン型

 2月23日、Gさんが設計・自作されたStereo誌付録ScanSpeak 5cmを使ったスピーカーシステムを3組を聞かせて頂きました。
 オーディオサークルのセミナーで使用した部屋の大きさは24畳程度で比較的縦長。
 ポータブルCDプレイヤーにボーズのパワーアンプを接続。
 ユニット口径が5cmと小さいのですが、外形が小さいネオジム磁石を使い背圧の低空力化、マグネットには低歪化の為の銅キャップ、VCボビンは昨年同様金属が使われています。

1.バスレフタイプ型
 ユニットの小ささから印象とは違い、一聴して力強い高解像度サウンド。ユニットの口径が小さい故に振動板重量が小さく過渡特性に優れ、分割振動帯域が高いので、中音域では有利な点もあるのでしょう。
 低域は一般的なバスレフらしいタイトな鳴りっぷり。
 キャビネットが小型であり、低域がすっきりして、音声を聞き取るのに適しており、パソコンモニターに向いていると思います。

2.ダブルバスレフ型
 低域はバスレフよりも充実しています。一般的なオーディオ用途に適していると思われます。

3.スパイラルホーン型
 ボリューム設定は同じですが、他の2つよりもバッフル面積が大きく長いホーンによる低音増量効果によって、低音や中音で音量が増しました。低音は少しぼやけた感じになりますが、かなりの量感があり、部屋を鳴らしきっていました。
 ポート共振に頼ったバスレフタイプと違い、ホーンタイプは低音音源の差が聞き取り安く量感も稼げるので、どちらかというと、スパイラルホーン型はホームシアター用途向きでしょう。
 パワーアンプを10wの自作機に変えて鳴らすと、ユニットの能率が80dbと低めなので、10wフルパワーでも部屋を鳴らし切るには音量が足りない感じでしたが、一般的な家庭での利用において十分な音量でしょう。ボーズのパワーアンプが低音を強調した設計となっているので、自作パワーアンプ(デジタル?)の方が周波数特性のバランスは良いのではないかと思われました。


まとめ
 雑誌+ユニット2本で3000円の値段でこの性能は破格であり、ユニットに使われているパーツ単価を考えると、採算割れしているのではないかとの指摘もありました。見た目の小ささからは考えられないほど、高解像度の中高音と、キャビネットによる低域増強効果が相まって豊かな音を奏でるスピーカーシステムを実現していると思います。
 ScanSpeak5cmネオジム磁石スピーカーは自作スピーカーの入門としてもお薦めであり、既にさまざまな自作スピーカーに取り組んできた方にも、新たな体験を得ることができる貴重なユニットであると思います。



(参考)
Stereo誌付録の5cm ScanSpeakを使ってみました。
http://blogs.yahoo.co.jp/sunahama375/11896953.html
夏の恒例、Stereo誌の付録です!
2012年に続いて8月号の付録は、SCANSPEAKのユニットです。
http://www.geocities.jp/pxm0/scanspeak_5cm.htm