被曝対策を考える。

 被曝対策を考える。何しろ考えるだけなら無料である。資本はなくても、考えることが出来る。人民の武器は思考であって、考えなければ権力や資本に飲み込まれてしまう。

 汚染地域から離れる事が最優先であることは間違いないないし、高濃度の汚染地域居住者は何はともあれ、移住を先決に考えるべきだ。
 2011年冬頃だったか、ニュース番組で福島県郡山市の住人が庭先を測ったら、100μSv/hを超えており、子供を「夜だけ」は疎開させている、という報道を行っていた。一種の安全宣撫工作だと思われるが、100μSv/hとは驚愕すべき数値であり、そもそも、そんなに高い線量計が必要となっている時点で異常事態である。一般的な「RADEX1503」や「SOEKS 01M」などの線量計では10μまでしか測れない。0.3μで警報が鳴る。ウクライナの認識では0.3μで危険なのである。しかも、今回の福島第一原発事故ではα線核種やβ線核種、自発核分裂物質が飛び散った。α線は測れないし、中性子線も特定の機種でしか測れない。γ線だけで100μということは、地面が中性子線なども高線量で放っているということになる。中性子線は同線量でγ線の10倍、対人影響がある。

 そのような超高濃度汚染地域は今すぐ離れるべきである。仮に自分の居住地が比較的低線量でも回りが高線量では、やはり移住をすべきだろいう。除染も一定程度しか線量を低減できないし、時間が経つと周囲の放射性物質が付着して、線量が戻ってしまうという。

 被曝対策においては吸気にもっとも注意しなくてはならないと言われている。50kgの人の場合、一日の呼吸量は14,400リットル、約20kgだと言われている。微粒子についた放射能を吸引すると、肺胞に達し、血管内に侵入して血管や脳内が被曝する。セシウムは心臓に蓄積され、心臓の活動を阻害する働きがある。心不全の増加は原発事故と関係がある。
 であるから、長時間いる場所である、自宅や仕事場はできるだけホコリを取り去った方が良い。濡れ雑巾で拭いとるのが無難だ。手っ取り早く掃除機を使う場合は、マスク着用の上、換気をしながら掃除をした方が良い。紙パックは極力高い頻度で捨てるべきだ。掃除が終わった後は塩水でうがいをして、被曝による免疫力低下によってもたらされる炎症に備えるべきだ。

 外出時にはマスクは必須だ。PM2.5用マスクというのが、息苦しい。簡易的なマスクでした方が良いだろう。焼却施設付近には近寄らないほうが良い。放射能放出装置となっている。交通量が多いところもあまり近寄らないほうが良い。車両が放射能を運んでくる。水が溜まっているところも線量が高い。
 家の外回りや外壁も除染がてら掃除した方が良い。可能な限り完全防備で、高圧洗浄機で吹き流すのが良いのだが、かなりうるさいので、暴風雨のドサクサ紛れにやってしまうのが良い。

 気が重いのが食べ物である。水は浄水器を通したものしか使わない。動物性食品は生体濃縮があるので、なるべく避ける。特に臓器物は放射能が高濃度に濃縮されているので絶対に食べてはいけない。とはいっても、いくつかの栄養素が欠けるので、私はインドネシア産の「しらす」(ちりめん)を食べている。たまにチリの養殖鮭を食べてもいる。なぜか、そのチリの養殖鮭が危険だと喧伝されているのだが、北半球の鮭よりは相対的にみれば安全だろう。

 乳製品はあらゆるものに使われている。乳製品や鶏卵も高濃度の濃縮が発生する。すると、自ずと食べるものは限られてくる。しかし、ビタミンC、B、A、D等は必要だし、カルシウムも必要だ。亜鉛などの元素も必要だろう。ナッツ類や柑橘類や果物など、産地を選んで食べるしかない。

 結局の所、「情報戦」なのである。日本政府は国民の安全よりも、原発事故被害の矮小化と核燃遂行を優先している。情報戦とは「いくさ」なのであって、負ければ死ぬのである。実際、バタバタと人は死んでいる。社会的な意味で敗北し、生物的にも敗北したのである。敗北は潔いものではない。単に愚かなだけである。生きながらえて、この黄昏ゆく日本の行く末を見据え、警句を発するのも、人類史上最大の惨事に遭遇した我々の責務である。

(参考)福島と日本の近未来
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7620208.html