言論弾圧国家万歳

 報道のレベルが国家の成熟度を表すとすると、今の日本は明らかに途上国レベルであり、後進途上国ではないかと言われている。つまり発展前の国家に後ずさりしているのではないかと思わざるを得ない。
 安倍総理は「根拠のない風評に対しては国として全力を挙げて対応する必要がある」と宣言したが、マンガに対して表現弾圧すると宣言しているわけであり、 実際に鼻血が出ていても、根拠がないだの、風評だとの否定する。もはや、放射能禍のすべてを闇に葬るつもりなのだろう。このままでは恐怖国家に成り果てる。
 話題の「美味しんぼ」は鼻血以外にも放射線による影響全般、現在の日本社会が抱えている問題にまで広く取り上げており、安倍政権にとって、読まれたくないマンガであることは容易に想像できる。だからといって、行政や官邸が
「痛いところ疲れたから弾圧する」
というのでは、まさに憲法を蹂躙する行為であり、日本社会の活力を奪う行為である。 もっとも、放射能禍は待ったなしであり、行政や御用媒体や首相が風評被害だと言い募ったところで、関東圏でさえ病院は満員で長時間待たされる状態となっている。

 ちなみに「美味しんぼ」と同じビッグコミックスピリッツに掲載されていた漫画・長尾謙一郎「クリームソーダ シティ」は”権力からの勧告(作者:談)”により未完のまま突如打ち切りになった、
http://natalie.mu/comic/news/116378

 報道といえば、山本美香さんがシリアの古都アレッポで射殺されたのは記憶に新しい。気鋭の女性報道カメラマンが戦地で謀略死亡するという物語は、高橋良輔監督のアニメFLAG(2006年)に展開が酷似しているおり、FLAGは図らずも予言が成就するような形になってしまった。
 山本美香さんはメディア嫌いにも関わらず出発前に2社のしっかりしたテレビインタビューを受けている。普通、戦場から帰ってきて報告するのが報道ではないのか?戦地に行く前に取材とは奇異な感じがする。
 山本さんが亡くなられた後、上杉隆氏を呼んで山本美香さんのお話を聞く番組があった。出身大学(都留文科大学文学部英文科)が同じで、同じ報道を歩まれた関係で、たまに会ったりしていたそうだ。上杉氏自信もイラク入りするときに重症を負っており、戦場報道に関しての情報交換を行っていた。上杉氏は311後、果敢に福一事故問題を報道しており、記者クラブに対抗して自由報道協会を主催していた。
 今でこそ核燃団は「美味しんぼ」叩きに余念がないが、2011?12年は上杉氏がもっとも叩かれる存在であった。山本美香さんの死には計略説があり、可能性は高い。主たる動機は日本を米国のシリアへの軍事介入を賛同誘導させることだったと思われる。併せて、上杉氏への威圧も兼ねていたのではないかとも、私は推測している。
 考え過ぎかもしれないが、昨今の「美味しんぼ」の核燃団対応を見ているとあながち有り得なくもないのではないかと思う。

シリア政府が声明 山本美香さんの銃撃死に謀略説 「反政府組織」がプロパガンダに利用したのか (日刊ゲンダイ) 
http://www.asyura2.com/12/warb9/msg/837.html

 既に成立し施行待ちの「特定秘密保護法」は戦前の治安維持法や軍機保護法を超越してると言われている。米国からわざわざ「特定秘密保護法」の危険性を訴えに来た知識人がいたが、おたくの国の「愛国法」には及びませんよ、と返したいところだ。特定秘密保護法では、報道以外の人物が特定秘密に関する情報へアクセスする行為は処罰されると言われる。出版物を著していると除外されるらしい(要検証)。ブロガーは処罰対象に含まれると、国会で答弁がなされている。
 特定秘密保護法や日本版NSCで公安密度を引き上げて、被曝で憤る人民を大弾圧するのではないか?世界最凶米帝様の植民地であるニホンに攻めてくる国などどこにもない。一番恐ろしいのは統治が人民を様々な形で粛清することである。

 ネットの中は異次元で、被曝について議論があるけれど、現実社会では被曝はタブー。禁忌事項としてに誘導された結果なのか、今の生活、今の収入、今の社会的立場を守るために、人民様が自らの意思で無いことにしているのか、よく分からない。
 放射能の害というのは、核兵器を「使えるようにするため」に隠蔽されてきた。日本は核兵器を使われた国であったのだから、敢えて世界に放射能の害を広報する必要があったはずだが、米国に押さえ込まれた。結果的に核燃政策は爆走し、福一事故の結露となった。それでも放射能禍を隠蔽している。

 総理がテレビに出てきて「国民の命を守る」とのたまうが、「食べて応援=被曝して集団自殺」「除染=移染作業で被曝者増加」「瓦礫焼却=放射能カービィ」なので、まるで真逆なのが実態である。「国民の命を捨てている」のがバレるとまずいので、外敵だの命を守るだとか戦争の危機を煽っている。
 既に日本は内戦状態である。放射線という見えない暴力が蔓延しており、しかも、日本政府はその事態を隠蔽しつつ、更に被曝が増えるような施策を遂行している。内戦も戦争の一種だとするのなら、今の日本は戦争状態であり、この眼前の戦いに対処するのが先決である。
 明治政府は戦争遂行に国富を傾注し、疲弊した人民を抑圧した。果ては太平洋戦争で国土は焦土となった。戦後、核燃勢力が国富を消耗し、過酷事故により東日本に放射能汚染を招いた。原発事故に終戦はない。無限に続く放射能との戦いと、遺伝子劣化により日本の衰退は不可避となったのであり、統治の暴虐が衰退を加速させる予兆が見て取れる。