迫り来る金融恐慌が、疲弊する日本社会にトドメを刺す。

○動揺する債権市場
ウォール街の大手銀行による米国債保有高が、約2年余りで最高に達したそうだ。
顧客から引き受けた米国債の転売が、難しい状態にあるとの事。

株式市場の変調の後には、債権市場が崩れると言われている。
日本国債金利も上昇に転じている。
債券市場の動乱及び市中の貸出金利上昇が迫っている。

マイナス金利導入で住宅ローン金利低下がアナウンスされているが、ここでマスコミのお囃子に乗せられて大金を借り入れると、金利暴騰による利払で、家計が将来苦境に陥る可能性が高い。

日本銀行は巨額の国債引受を行っており、金利が上昇し、時価会計処理を行えば、債務超過に転落する可能性がある。
2015年9月末時点での日銀の引当金は3.1兆円しかない。
日銀は2015年11月に4000億円程度の引当金積み増しを行ったようだ。
国債金利上昇に備えて、準備金を増やしているのだ。
今現在、年率80兆円にも及ぶ緩和を行って、国債金利を押さえ込んでいる。
超低金利状態であるにも関わらず引当金の積み増しが必要となっている。
一つには引き受けた国債の金額が増加しているので、バーゼル合意・BIS規制に基づいて引当金を増額せざるを得ないのかもしれない。
仮に国債暴落により債務超過に転落すれば、日銀の発行する円に対する信任が揺らぐことは安易に想像できる。


ギリシャ問題とエネルギー価格暴落問題
今のところ、世界恐慌震源ギリシャドイツ銀行のようである。
ギリシャ破綻が迫っている。
ギリシャの株価は2010年ころの最安値に迫っている。

ドイツ銀行の株価が2月8日にさらに8%も下落した。
前回の金融危機の時の株価(史上最低)を少しだけ上回っている状態にある。
ドイツ銀行の株価は2016年が始まって以降36%も暴落しており、ドイツ銀行のクレジットデフォルトスワップ放射線状に上昇している。
ドイツ銀行以外のヨーロッパ巨大銀行も危険な状態にある。、独コメルツ銀行クレディ・スイスHSBC、仏BNPパリバなどだ。
イタリアの銀行も地方銀行が3行閉鎖となっているが、イタリアにある他の銀行もすべからく危ない。
ヨーロッパ金融危機の引き金は、ヨーロッパの巨大銀行がエネルギー資源へ10兆円以上の融資を行っていることによる。各行とも石油価格暴落の影響を受けている。
北米では、昨年から、エネルギー供給会社の倒産が42回も発生しているのである。

ドルは本当の発行済み残高が不明と言われ、軍事力でドル価値を保ってきたが、ここに来て二国間決済からドルを外す動きが強まっており、ドル建て資産を持つこと自体が大変なリスクとなっている。
1ドル60円だとか50円になるだろうという話も出てきている。

GPIFのみならず、地方公務員共済組合連合会共済年金日本株比率を高めている。
かんぽ生命保険とゆうちょ銀行も株式上場に伴い、運用収益を高めるため株式比率を高めている。
これに加えて日本銀行の日経ETF購入も存在する。
今回の株価の下落は単に民間金融機関や個人投資家の損失拡大に留まらない。
GPIFや共済の株式運用に伴う欠損金の発生は、年金の支払額が減少することを意味する。国内株運用分だけでも既に20〜30兆円の損失が出ていると試算されている。


○自国通貨安を喜ぶ、宇宙随一の日本族
 とある首相を「宇宙人」と呼んだが、宇宙基準でみても日本族こそ血迷っている民族はいない。
何しろ、自国通貨が安くなると喜び、高くなると嘆くのは、地球上でも宇宙中でも日本族だけである。
日本人民は精神的にも居留地で生かされているローカル族と成り果てており、米国様のご意向を伺うことでしか意見を言うことが出来なくなっている。
つまり、時の政権が米国に権力を担保してもらうため、日本の金融資産を可能な限り極力ドル転して供出する事が第一命題となってしまっている。
ドルの価値を保つために、日本社会は低賃金化という犠牲を払っている。
米国はイラク戦争で多数の戦死者を出した。
日本は世界トップクラスの自殺大国となっている。
変死扱いで実質上の自殺者をカウントすれば、実際の自殺者数は年間10万人と言われる。
精神病を患っている人は200万人はいるとも言われている。
イラク戦争で米国社会は疲弊したと言われているが、日本社会は米国への献上金捻出で、米国以上に人間的に疲弊している。

米国の巨額の供出を毎年続けていれば、国内経済は収縮する。
日本社会の貧困化は単に上級国民の無駄遣いだけが原因ではない。
最大の原因は米国に国富が流出していることである。
また、ドルを稼いでも円転されずにドルで滞留している。
日本の法定通貨は円なので、ドルは日本国内に投資されない。
結局、必死に働いて輸出を行っても対価が国内へ還流していない。
1985年外為法の改正で、国外での資金運用を円転する義務を外してしまった。
加えてメガバンクのみならず地銀や信金までもが、工場の国外移転に融資するようになっている。
自分の町のためと思って、地銀や信金に預金しても、その資金は自分の町の空洞化のために使われている。
法制度で国外への工場転出を抑止することは簡単に出来るはずである。
ところが安い賃金や、取引先の海外移転に引きずられて、次々と生産設備が国外へ流出している。

日米関係を例えて言えば、養蜂家(米国)とミツバチ(日本族)の関係である。
養蜂家様のためにミツバチ達が蜜を集めて献上する。
これが至高の喜びということになってしまっている。
逆らえば蜂の巣ごと潰されると怯えている。
しかし、怯える必要はすでにない。少なくとも東日本は放射能まみれで、本来なら立ち入り禁止区域となってしまっている。
西日本は放射能汚染度が低いので、汚染瓦礫や汚染食品を西日本に流して、人体放射能汚染の均一化を謀ろうとしている上に、原発を再稼働して次の大事故へと誘導している。
致命的に放射能汚染されてしまったので、100年単位で見た場合、「日本は既に命運尽きている」のだ。既に遺伝子を紡ぐことが難しくなってしまっており、失うものはすでに何もないので、ひねくれた見方をすると、米国におもねる必要もない。
これ以上にない、最悪な状態になってしまったのだから、民族としての血路を開くには、米国と一戦交えるぐらいの覚悟があってしかるべきである。
日本族お得の「逆ギレ」のターンであろう。

繰り返すが日本社会の貧困化は、国富を米国に供出している事が原因である。
更にTPPに批准すれば、米国系大資本に産業を支配され、地方自治体の公共事業に至るまで英語併記が必須となる。事実上英語が公用語となる。
これこそは日本国のフィリピン化であり、日本語は生活用ローカル言語に転落し、英語がネイティブ並みに駆使できなければ、ビジネスの現場から外される。
国内で起きている労働身分格差が言語能力を通じて、更に格段に進んでいく。

次なる金融恐慌は日本の国富を毀損させ、年金を奪い取り、日本の金融機関も巨額損失を発生させる。
しかし、日本政府にもはや金融機関を救うだけのゆとりは存在しない。
何しろ禁じ手である日銀の国債引受を限界まで行いつつ有るのだ。
市中を介しているとはいえ、裏付けする資産もない中で、国債を引き受けている。
日経ETFも購入している。
その上、日本の「くじら達」(巨大金融機関)に巨額損失が発生したら、どうやって損失を補填するというのだろうか?
それこそ「ベイルイン」制度に則って、預金を棒引きして、預金者に損失負担をしてもらうしかない。
金融恐慌はまだ序盤戦ではあるが、リーマン・ショックの時と同じく、ある日を境に急激に経済情勢は悪化する。
歴史的な「その時」が迫っている。

(参考)
日銀、引当金を数千億円積み増し 金利上昇に備え
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF13H04_T11C15A1MM0000/
日銀「債務超過」という「悪夢のシナリオ」
http://www.jiji.com/jc/foresight?p=foresight_17002
ヨーロッパの大きすぎて潰せない銀行(複数)が破たんします!
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/51980011.html
ギリシャはいかにして "エコノミック・ヒットマン"の犠牲となったか
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-8d4f.html
ドイツ銀行の昨年来の動き
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=312245&g=131205
転載開始--
・2014年4月・・・・ドイツ銀行は、ティアワンキャピタルの自己資本をさらに15億ドル追加せざるを得なくなった。
・2014年5月・・・・ドイツ銀行は80億ユーロ(最高で30%も値引きをして)もの株を売却。
・2015年3月・・・・ドイツ銀行はストレス・テストで不合格。資金構成を強化するよう警告を受けた。
・2015年4月・・・・ドイツ銀行はLIBORの不正操作に関して英米と和解。米司法省に21億ドルの賠償金を支払った。
・2015年5月・・・・ドイツ銀行のCEO(Jain氏)が理事会によって絶大な権限を与えられた。これはドイツ銀行が危機に瀕していることを物語っている。
・2015年6月・・・・ギリシャIMFに返済できなかった。ギリシャがデフォルトすれば、ドイツ銀行は大きなダメージを受ける。
・2015年6月6日、7日・・・・ドイツ銀行の2人(Jain氏とFitschen氏)のCEOが突然辞任を表明。
・2015年6月9日・・・・S&Pはドイツ銀行の格付けをBBB+(ジャンクから3段階上)に下げた。これはリーマン・ブラザーズが破たんする3ヶ月前に格下げされたレベルよりも低い。
転載終わり--

ウォール街の大手銀に米国債が山積−危険な兆候との見方も
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2RZ1R6TTDSO01.html
ドイツ銀行ギリシャと共倒れ危機 衝撃的な格下げ 欧州崩壊待ったなし 
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20150707/zsp1507071130001-n1.htm
世界恐慌を覚悟しはじめた個人投資家たち たった1か月で株式の10%以上現金化
http://www.zakzak.co.jp/zakspa/news/20150707/zsp1507071129002-n1.htm