甘利明元大臣、原発事故責任問われて恫喝訴訟

1.終わりなき原発収束作業
 福島第一原発事故後5年経とうとしているが、既に費やした費用は約11兆円である。(1)
 収束作業に終わりはない。溶け落ちた核燃料を回収するにも「どこにあるのか分かっていない」。仮に分かっても高い線量で対処できない。建屋内部にロボットを送り込んでも高線量で動作不能になる。その動かなくなったロボットは人を送り込んで回収している。回収に向かった人員は、致死的な線量を浴びているはずである。
 雨や風に晒され、中性子線やα線β線に晒されて建屋の劣化は進んでいく。海岸に近い地域では、風と波の作用により発生する海塩粒子が風によって運ばれ、がいしや電線被覆、金属の表面に付着する。当然のことながら、大気中に含まれる海塩粒子の量は海岸に近いほど多く、塩害の影響は海岸から4?以内が最も大きくなる。(2)
 原子炉建屋劣化は刻一刻と進む一方で、幾ら時間や人員を「費やし」ても収束作業に終わりは来ない。


2.テレ東の取材に対し恫喝訴訟を起こした甘利明元大臣
 経済産業大臣を2期勤めた甘利明氏には、原発事故について経産大臣職権の範囲内において真摯に答える義務がある。しかし、テレ東のテレ東の取材に対し恫喝訴訟を起こした。(3)
テレ東側の裁判証言によると、
原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちれば良い。マスコミだって同じだ。お宅も潰れないとわからないもんだ。もう私の知ったことではない」
と述べたそうだ。発言趣旨は原発が止まると電力供給体制に瑕疵が出来て、企業が海外へ出て行ってしまうという事だが、電力会社は原発が止まった時のバックアップとして、火力発電を温存しているし、企業側は自家発電設備を増やしている。
 むしろ、原発による発電コストの増加により、電気料金が値上がりし、高い電気料金負担を嫌って、工場の海外転出を促進している。


3.原発行政の責任が自民党にあるのは明白である。
 原発電源喪失について、吉井英勝氏の国会質問に対してアベは「あり得ない」と答えた。しかし、福島第一原発の1号機・2号機は交流・直流の全電源を喪失して、炉心溶融事故を起こした。3号機は直流電源は生き残り計器は読めたが、事故対応に失敗し、やはり炉心溶融事故に至った。
 原発政策を推進してきたのは自民党である。所轄する経産省内閣府も含めて、原発事故責任は存在する。東電だけの責任問題ではない。
 現在、放射能高濃度汚染地への「帰還」が進められているが、チェルノブイリ事故避難基準に比べて、日本政府の避難基準は極めて緩い。今後、健康被害チェルノブイリ事故を超えて発生するのは必定であり、「帰還」や「食べて応援」などの政策を推進している自民党と日本政府は、故意に人民を死に追いやっている。


(1)[FT]福島原発事故の国民負担は約11兆円
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO98110430X00C16A3000000/
立命館大学の大島堅一教授の試算だ。同氏の試算ではこの事故でこれまでに掛かった費用は13兆3000億円だ。東電の株主が失った株式の価値を見ると、東電の株主が負担することになるのはこの内の20%だけだと分かる。
 大島教授は「(それ以外の)隠れたコストは主に国民が電気料金か税金の形で負担している」と話す。
 日本政府は原発事故の費用に関する数字を何一つ発表していない。だが、大島教授はこれまでで最も掛かった費用は企業や避難者に対する賠償金で6兆2000億円、次いで福島原発周辺の除染費用が3兆5000億円、そして、廃炉費用の2兆2000億円だ。』

(2)福島第一排気筒問題で一部作業員、偽科学関係者が振りまいた安全神話
http://iwamin12.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-a62a.html

(3)甘利明元大臣、テレ東取材を中断し提訴「日本は終わりだ。もう私の知ったことではない」
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14149_3.html

<日本の狂気・・・世界から笑われてるのを知らない日本人> チェルノは強制移住、日本は #放射能 汚染地に帰還奨励★字幕GovntLetsPeopleReturn #Fukushima ?ZONE
http://sharetube.jp/article/1611/

<福島第1>賠償総額7兆円 格差も拡大
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160304-00000010-khks-soci
原発事故で東電がこれまでに支払った賠償金は5兆9167億円に上る。農水産物の出荷制限や風評被害に1兆4931億円、1人月額10万円の精神的慰謝料1兆97億円、営業損害賠償4536億円など。東電が見積もる賠償総額は7兆753億円に達する見通し。』