【スマッシュ・ヒット】日本会議の研究 菅野完著

1.民主主義の敗北が近い
 自民党改憲案は「商家の家訓の如し」と言われ、憲法の体をなしていない。つまり、統治機構を規定するよりも、人民を統制する「モノ」に成り下がっている。
 古色蒼然とした明治憲法未満に戻して誰が得するのか。支配層の権力強化にはなるかもしれないが、経済競争力低下は確実に発生する。様々な統制を受けて人民はますます疲弊する。やがては革命騒ぎも起きるだろう。
 すでに日本では衰退の予兆が見える。退潮する社会趨勢では活躍の場所は限られる。一億総活躍できない社会になりつつあるので、アベ政権はわざわざ一億総活躍大臣を設置したのとしか思えない。心ある人は次々と海外へ移住している。
 経済的な困窮下で、人心が社会の立て直しの方向へ向かうのなら、未来を見通せるかもしれないが、一部を除けば、後ろ暗い方向へ進みつつ有る。
 改憲に一定程度賛成する勢力がいること自体が異様である。これこそが思考停止であり、民主主義の自殺に他ならない。


2.宗教勢力と改憲運動
 生長の家創始者である谷口雅春の直弟子的存在である安藤巌が、指導者として「生長の家政治運動」の中心を担ってきた。生長の家の政治運動部分を引き継いだ【日本会議】が、草の根市民運動として地道な活動を経て、政権党をコントロールするまでになり、今や改憲へ王手をかけようとしている。麻生副首相の言うところの「ナチスに習う」を実践しつつあり、まず改憲では「緊急事態権」の必要を最優先で説いている。彼らが三権を掌握した後に何が起きるのか。世界大戦に導かれた歴史が繰り返されようとしている。


3.腐った人格主「安藤巌」
 労作「日本会議の研究」には1人のジャーナリストが放つとしては、最大級の衝撃波が込められている。裏方として隠れていた「安藤巌」の人となりをここぞとばかりに暴きだしている。謀略を駆使して対立する人物を陥れ、話術で人心をコントロールする様が描かれている。出版差止請求が出されたのも頷ける充実した内容である。
 この本を1人でも多くの人に読んで貰う必要がある。このような腐った人物に我々の権利や未来が奪われようとしていることを真摯に考えて、対抗する手段を行使しなくてはならない。


(参考)
日本会議、右傾化運動のラスボス、安東巌のことをついに書いた」〜菅野完氏ツィート http://togetter.com/li/938170
「安東はね、そんな生易しいもんじゃないんだよ」
「君ね、安東だけはやめなよ。触っちゃいけないよ」
「安東はね、怖いんだよ。オレは話さないよ」