TA-DA9100ESがもたらすオーディオアンプの「歴史の終わり」

Takaon2008-09-01

かきかけ

○アンプの歴史
 真空管アンプは今でもマニア筋に重宝されています。とはいえ、殆どのハイエンドマニアはアナログICアンプを選択しています。デジタルアンプは歴史が浅く、一般的な評価は総じて低いものに留まっています。
 真空管アンプ長岡鉄男先生が使わなかったので、私の頭の中でもスルーでした。真空管アンプの中音域の魅力は解りますが、フルレンジ全域を鳴らすには低音の駆動力が足りない感じがしていました。
 私はサンスイB-2103MOSVintageを使い続けていましたが、部屋替えした時にPanasonic SA-XR55にしました。低音の駆動力は高いのですが、中音の艶が無いので、DVD-Video再生時に台詞の情感を揺さぶられる事があまりなくなりました。
 そこで、満を持して中古のSony TA-DA9100ESを導入しました。丁度友人が来ていたので劇場アニメ「時をかける少女」(細田守監督)を観ました。主人公紺野真琴役を仲里依紗さんという方が演じておりまして、一聴して台詞の瑞々しさや艶やかさに圧倒されました。
 SA-XR55と比べると低域は「しなやか」に深々と鳴り、中音はリアルさと艶を持って響き、高音は歪みがなく量感を持ちながら透き通るように鳴ります。全体的に情報量が多くS/Nがあります。
 その後、極性間違いを直し、バイアンプ設定にして、手持ちのDVDやCDを幾つか聞きました。バイアンプと非バイアンプの差は殆どありません。バイアンプの方が幾分楽に鳴っているような気がするくらいです。
 政治学フランシス・フクヤマは『歴史の終わり』を著しましたが、実際の歴史は『アメリカ帝国の終わり』となりました。一方、私がアンプの歴史を振り返りみて、TA-DA9100ESこそが本当にアンプの『歴史の終わり』を表象させたものだと思います。TA-DA9100ESはスピーカーを駆動しきる理想のAVアンプだと言えるでしょう。