小沢一郎総理大臣を待望する理由

1.目指すべきアメリカとの対等な関係
 鳩山総理は辞任会見にて「私は、つまるところ、日本の平和は日本人自身の力で作り上げていく時を、いつかは求めなくてはならないと思っている」と述べ「アメリカに依存し続ける安全保障は、今後50年、100年続けていいとは思いません」と明言している。いわゆる、小鳩政権は10カ月で幕を降ろしたが、後を引き継いだ菅政権がアメリカ隷属主義むき出し政策を打ち出しており、第二次小泉政権とも揶揄されている。
 パックスアメリカーナが善政であり、個々人に幸福をもたらすのであれば、アメリカに従属するのも良いだろう。しかし、ここ10年のアメリカ主導のアフガニスタンイラク戦争と国内経済の疲弊状況を見るにつけ、日本がアメリカの戦争下に置かれ金融収奪され続ける現状を続けるならば、我々日本国民の未来は閉ざされたものとなるのは間違いない。更に2008年のデリバティブ金融核爆弾の破裂によって生じた天文学的金額の負債が先送りにされ続けており、通貨価値の大幅減価到来も指摘されている。
 ドル暴落直前の現況を鑑みて日本はアメリカから経済・軍事両面で自立をせざるを得なくなっており、日本において対米独立政治勢力が政権をとり、財政・税制・労働法制・日米安保の見直しを行い、日米間の対等な関係、つまり日本国の真の独立を構築しなくてはならない。

2.第一次湾岸戦争と第二次湾岸戦争の違い
 小沢一郎氏の「剛腕伝説」は第一次湾岸戦争時にクウェート政府及び湾岸諸国に135億ドルを「復興支援」名目で支出した、決定の経緯で形成された。この「復興資金」は当時弱冠47歳で自民党幹事長であった小沢氏が主導して、他予算を削って捻出した資金である。国立大学の研究費までも削られ、反発もあった。更に兵站を担うため自衛隊の派遣を提言し、憲法解釈を巡って内閣法制局と交渉した。
 小沢氏は国連中心主義である。国連軍による武力による平和維持活動に参加することは現行憲法で可能であるという判断だ。後の小泉政権下での内閣法制局解釈では兵站は可能となった。兵站も軍事行動の含まれる。憲法9条では「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記され武力の行使を禁じている。兵站が現憲法下で許されるのか議論の余地はあるだろう。だが、第一次湾岸戦争はクェートという主権国家イラクから軍事侵略を受けた。侵略を受けた場合は武力によってこれを排除することは国際法で認められた権利であって、国際連合安保理決議を経て、多国籍軍イラク軍と交戦するに至った。当時、外務省は軍事攻撃は無いという判断をしていたが、小沢氏は「米軍が50万の大兵力を展開しており必ず軍事行動がある」と反論した。開戦する数時間前にアメリカから日本政府に通告があった。結果として、第一次湾岸戦争での日本の役割は兵站は担わず資金供出のみに留まった。
 アフガニスタン戦争を含む第二次湾岸戦争においてアメリカが小沢氏に対して戦争への協力を要請された。ハワード・H・ベーカー・ジュニア大使、ジョン・トーマス・シーファー大使、ジョン・ルース大使のアメリカ駐日歴代大使3人に対して
「(アメリカは俺の戦争だと言って始めて、困ったら助けてと言ってきた)自分で始めた戦争なので自分でしりぬぐいをしなさい、他国に頼るのはアメリカらしくない」
と述べた。そして、2009年2月17日小沢一郎代表(当時)はクリントン国務長官との会談後
「日米関係は従属的であってはならず、対等なパートナーシップでなくてはならないと国務長官に伝えたことを明らかにした。その上で、こうした考えを日本政府がこれまで主張してこなかったことが問題だと述べた。(略)」
直後の3月3日大久保秘書が逮捕され、一連の東京地検特捜部による捜査が行われる事になる。
 鳩山政権では空自も海自も引き上げ、イラク戦争からは完全に手を引いた状態になった。そうした意味でも鳩山政権が果たした役割は大きい。

3.小選挙区制導入
 小選挙区制導入は小沢一郎氏の父・小沢佐重喜氏の持論でもある。小沢氏は小選挙区制を導入し、政権交代可能な二大政党制を目指すと主張し続けている。
 小選挙区制度の問題はかつての奄美大島で起きた熾烈な選挙戦の全国展開になり、なおかつ過半数を得ようとして政策が似てくる問題がある。だが、対米独立政治勢力を糾合するには小選挙区制度が望ましい。小沢一郎氏が予言する政権交代後の政界再編の内実は、「対米独立勢力」と「対米従属勢力」の二大政党に収斂されるという事だ。
 小数政党に不利であることは事実だが、自民党公明党共産党社民党も足並み揃えて、民主党が小沢氏の証人喚問を要求したら賛成すると表明している。そもそも、特捜が不起訴=無罪判断したものを、手続きに不可解さがある検察審査会の議決による強制起訴に基づいて公判手続きに入っているものを、なぜわざわざ国会で証人喚問しなければならないのか。三権分立であるならば、国会が果たすべき役割は検察審査会の議決内容及びその経緯について調査・審議すべきではないか。アメリカCIAや官房機密費の利益供与が存在しないと仮定した場合、いわゆる現在の野党勢力の国会運営や法実務に関する能力は至って低いということである。多様な民意を汲み上げるためには国会議員の議席は多く、中選挙区制比例代表制による多党制が良いだろう。しかし、現状を見て、多党制であっても横並び判断をしているようでは、国民の請託に適切に応えているとは思えない。
 そして、なにより、我が国、我が民族に今必要なのはアメリカからの真の独立である。小沢一郎氏は代表選で「一命を賭して」と演説した。この言葉に表も裏もない。実際問題アメリカからの独立は命がけなのである。もし、この国の未来を憂え、私達の将来にいくばくかでも明るさを得ようとするならば、小沢一郎総理大臣を待望し、その実現に諸国民が最大限努力をするべきなのである。

(参考)
■ 鳩山辞任の本質。脱米国、脱官僚は、挫折するのか??
http://blogs.yahoo.co.jp/konan119269/31443851.html

小沢一郎 Ust 岩上安身インタビュー  [まとめ]
http://www.asyura2.com/10/senkyo102/msg/782.html
http://honnosense.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/ust-56a9.html

●「日本人のトラウマ/第1次湾岸戦争」(EJ第2727号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/138904816.html

社民党共産党も「政治とカネ」「説明責任」と騒ぐ理由(山の中の時事随想)
http://www.asyura2.com/11/senkyo104/msg/859.html