ウーハーユニットに対する疑念

 長岡派の象徴でもあるバックロードホーンは低域が薄かった。B&Wに転向していった人もいる。ところがB&Wを聞いてみると、低域の生なましい感じがしない。量感は有り余るほどあるのだが、リアリティがない。Air氏は「ウーハーは中高音が出ないように機械的ダンプされたユニット」というような事を書かれていた。
(参考)サブウーファーの音は遅れる?
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/subwoofer.html
 口径の大きなウーハーは振動板が重くなる。重い振動板は動き出すまでに時間がかかる。止まるまでにも時間がかかる。原音の音波と実際に放出される音波に隔たりが、大きく出る。ウーハーが奏でる音は、明らかに変な音なのだが「それでいいのだ」という事になっている。
 振動系実効質量(等価質量 Mo)が再生音の現実味に差をつける。Moには10cmスピーカーで0.4g,20cmスピーカーで約4g,30cmスピーカーで約15gを加えたものを指す(長岡鉄男・図解スピーカーから)のだそうだ。明確な理由は分からないが、私はユニット前後の空気質量を足す為だと推定している。であるから、メーカー公表のMo値より振動板口径に伴う振動板実重量差は小さくはなる。ホールピースに集中する磁束密度には限界がある。大きなユニットだからといって単純に大きな磁束密度を得られるわけでもなく、磁束密度も20000ガウス程度で飽和するそうだ。
 小口径ユニットは低域再生音圧が下がる。低域はバスレフキャビネットである程度補えるが、限度がある。最近の傾向として小口径ユニットを多連装するスピーカーが増えている。再生音の現実味を損なわずに、低域再生限界を伸ばすには良い手法だ。私が聞いた感じではFostex RS-2(NHK御用達モニタースピーカー200万円)よりもFostex GX103(トールボーイ15万円程度)の方が現実味がある音がした。
 オーディオ店で試聴会があった。FE88Enの自作バスレフとB&W 802D Bowers & Wilkins ダイヤモンド・ツイーター採用3wayを比較出来た。FE88Enは高音域に紙っぽさが僅かにあるものの、生なましいものであった。低音の伸びは足りないが、音楽のリアリティをそれほど損なうものではない。人の耳は倍音成分からの逆類推が聞くのだろう。一方、802Dはフロアを満たす量感溢れる低音が出るが、低音・中音域共に重い音である。
 製品価格差は100倍差ぐらいあると思われるが、音の品位はFE88Enの方が上である。但し重低音は出ない。どちらが良いのか口に出すまでもないのだが、店員さんが弁明する程の差があった。盲目の人が来場していて、熱心にFE88Enのキャビネット作成について質問していたのが印象に残った。音の達人はFE88En+自作キャビに軍配を振った。
 数年前、方舟に行く機会があった。再生装置はまだ稼働中である。奥さんが映画を観るのに使っているという話である。近所の人を呼んで上映会をしてるとも聞いた。ネッシーはFE206ES-Rに換えられていた(208ではなく、206である)。再生音中音域の緊迫感は半端ではない。あのような音は聞いたことがない。Sonyの70kg超えMOS-FETアンプTA-N1の駆動力には恐れ入った。それにFE206ES-Rにあれだけの音が出せるのかという事にも驚いた。『パルクール』を再生するとコンプレッションドライバー並の音が出る。
http://audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/amp/ta-n1.html
しかし、ウーハーの再生音が遅い。サブウーハーはFostex Fw-208 20cmユニット3発なのだが、反応が遅かった。FE-208系フルレンジユニットで作り換える計画があったとの噂もあった(要検証)が、その必要性を思わせた。
 私の経験上、バックロードもFE208ES-Rに換えると低域不足もホーン付帯音問題も解消し、中音域の紙臭さもなくなり、高音域もそれなりの音量が確保できる。文字通り長岡教徒にとっての神ユニットなのだが、賛否がある所がマニア故なのだろう。FE208ES-Rに否定的な意見もあるにはある。
 D-58ESの音道がD-55やD-57よりも扁平であり、スロート開口率が振動板面積の1倍を超える。長岡先生曰く「設計上横に広げるしか無かった」との事だが、FE208ESをしても荷が重かったのだろう。FE208ESの制動力では音道内部空気の逆圧力を制御しきれなかったのかもしれない。FE208ES装着の場合D-55やD-57装着の方が好結果だと言われている。
 D-150(D-150ESでは無い、差はユニット装着部の寸法が25cm角と30cm角[ES]にある)にもFE208ESを付けていたが、これは更に悲惨で、明らかに低域が制動しきれず、近年の40Hzまで均一にブーストして収録してあるJ-POP再生でバスドラやベース基音付近の超低域の遅れが出て音楽が破綻する。重低音域で不足している音域があるようにも聞こえる。
 所が、D-58ESもD-150も前述の通り、FE208ES-Rで超低域まで量感が稼げて、ホーン鳴りや低域遅延の感じも消える。中音・高音域の紙臭さも無くなる。又、FE208ES-Rでは音像が明瞭に定位する。音像定位についてはホールピースが純鉄になった事が効いていると推測される(要検証)。制動力はアルニコ磁石のによるものだろう(要検証)。アルニコはフェライトネオジム磁石よりも温度変動による磁束変化値が一桁低いそうだ。ユニットに電流が流れると温度上昇する。温度変化に伴い磁束が低下する。そうすると制動力が落ちて再生音の現実味が落ちる。アルニコは温度変化に強く、磁束を保持する能力が高いのだろう(要検証)。但し、ネオジムはジスプロジウムを添加することによって、温度上昇変化を抑える事が出来ると言われている。余談だが、ジスプロジウムの産地は中国とインドが主力だが、インドのジスプロジウムは放射性物質が入っており、除去に費用がかかるため、中国一強である。中国がジスプロジウム輸出を止めれば、ネオジム磁石革命も終わりである。ネオジムが使えなければモーターは大型化するしかない。エアコンも洗濯機もハイブリッド車も性能を保持できない。であるから、土下座してでも中国にジスプロジウムを売ってもらわなければならないのだが、日欧米はWTOに提訴するという。
 しかも、名古屋市の河村市長は友好都市である南京市行政府トップ来訪時に「南京大虐殺は無かった」と発言した。これで3重に困ったことになった。一つには行政費用を下げて税率も下げるという、行政サービス提供者としての理念を打ち出す政治家が政治的に自殺してしまった事。2つ目は日中関係悪化によってジスプロジウム等の貿易が滞る事。3つ目は国内のゆとり歴史認識層に対する影響である。
 トヨタ自動車は社を挙げてジスプロジウム確保に狂奔している。プリウスの生産工場を中国に新設するのも、その現れだろう。トヨタが河村市長再選阻止に動くことは100%間違いない。
 南京大虐殺の30万人に留まらず、打通作戦に至るまで中国全土で天皇の軍隊は残虐の限りを尽くした。南京大虐殺を隠蔽したい理由は朝香宮鳩彦王の南京城入場を安全に完遂する目的で捕虜を殺害したという事実を基礎にする。南京攻略戦に参加した三師団の内、一つの師団長が朝香宮であり、虐殺の実行師団であった。遅れて上海派遣軍司令官松井石根大将が到着すると虐殺は収まった言われている。松井大将は戦後絞首刑になったが、朝香宮は罪に問われることなく、ゴルフ三昧だったという。皇族を戦犯に問えば、天皇の戦争責任が問われる。故に皇族を戦犯には出来ない。又、皇族であったが故に身体の安全は万全でなければならず、危険は徹底的に排除すべしということで虐殺行為に繋がった。南京大虐殺天皇を神であるとする国家神道を掲げた、宗教上の狂気が生んだ行為なのである。
 話を戻すと、まずは真空管アンプ時代、出力を稼ぐために映画館ではバックロードホーンは必須だった。先にバックロードホーンがあったのだが、巨大過ぎて一般家庭向きではないし、制動力の強いユニットは存在しなかった。磁束を強めた制動力のあるユニットは低域が出ない。しかし、ホーンを制動するには制動力が必要である。
 1958年頃(要検証)NHKの研究室がバスレフレックス方式のスピーカーを開発した。バスレフポートで特定周波数域を増幅して、逆相で出力するというものである。背面の音は全面の逆相であるので、逆相の音を逆相にして全面の音と同相にするという、極めて理想的な方式であり、キャビネットの小型化も可能だった。これにより、バックロードホードスピーカーはタンノイオートグラフ等を除いて、市場から消える事となった。
 所がバスレフもポート共振音が耳につき、音に色が付く。それでも、バックロードのホーン付帯音よりはマシだし、小型化・低コストという点で、製造メーカー側はバスレフ一択となっていく。
 バックロードホーンは命運付きて終わるはずだった。詳細は別稿に譲るが、長岡鉄男氏とFostexの協労関係があって、長岡式バックロードホーンは一定の地保を売ることが出来た。
 どの世界にもタブーは禁忌に触れて良いことは殆ど無い。しかし、本当の事を言わないと「原発が爆発して死んでしまう」ような破局的事象を迎える事が判明した昨今であるので、記念として本当の事を書き残して行きたい。