福一の危険評価

原発に詳しい人に話を聞いた。
 かねてから、原発が爆発すると主張。原発事故により人々が原発の危険性に目覚めることを望んでいたが、人々が覚醒するきっかけとなるべき事故として考えた規模よりも、福一で5倍から10倍の規模の事故が起きてしまった。ここ最近の反原発世論の盛り上がりは良いとして、世論の盛り上がりに一年三ヶ月も要した事が解せない。

 全原発停止は皆んなの力で実現したわけではなく、定期点検に入った原発の幾つかの再稼働時期が遅れていただけであって、自主的に勝ち得たものではない。
 だが、原発再稼働に反対するには意義がある。地震に襲われた時点で稼働していない方が安全だからだ。
 原発が2つ再稼働したが、今後も再稼働する原発を一つでも減らす運動を行うことは意味がある。

 原発の危険性についてある程度知っている単身者の知り合いは、和歌山・長崎などの西日本やフィリピンへ移住した。自分(話を聞いた人)は家族の反対で逃げられないので、留まっているが、本心ではすぐに逃げたい。なぜ、あなたは逃げないのか?逃げるべきだ。福一に次の大地震が来たら危険だからだ。

 逃げれないので、原発再稼働の反対をする。福一の問題を解決するには現場に作業員として赴いて収束作業に加わるか、逃げるしかない。実際に原発作業員になれば高い線量の放射線被曝を受ける。となると、有効な選択は逃げる事しかない。 逃げれないので再稼働に反対して危険度を下げる運動を行うしかない。本当は今すぐに逃げたい。

 福一が再度地震に襲われた場合、大きな事故が起きる可能性は高い。
4号機燃料プールの危険性が度々指摘されるが、もし、4号機の燃料プールが破損や倒壊する地震が来たら3号機燃料プールも事故を起こすし、3号機燃料プールの方が破損する可能性が高い。3号機燃料プールは漏水している状態なのではないか。あれだけの爆発を起こして健全であるとは考えられない。
 4号機の建屋破損原因については分からない。

 原発の技術について信頼がおけるのは小出助教。8割位の情報は信用できる。
 アーニー・ガンダーセン博士は在野の人物で、エキセントリックな事を言ってる。後に出る訂正も多い。
 村田光平氏(元駐スイス大使)が4号機燃料プールの危険性を問うている。直接話を聞いたが、文系で原発の技術的なことは分かっていない。オバマ大統領を賞賛する親米的な人物である点からも信用できない。聞きかじった事を喧伝しているだけではないか。

 仮に4号機燃料プールが漏水したら、上から水を注ぎ込めば良い。すでに1年3月経過しており、崩壊熱は減少している。4号機燃料プールが倒壊して、核燃料がばらまかれるような状態になったら、放射線の遮蔽が出来なくなるので大変だが、その時、3号機はもっと危険な状態になっている。
 なぜ、4号機の危険ばかり言われるのかおかしい。3号機の危険度の方が高い。
 1・2・3号機に比べて4号機内部は線量が低いから作業が出来ている。2・3号機は建屋内部に人が入れない。

 4号機5Fにシュラウド交換用のクレーンが運び込まれていた可能性はある。定期点検でもシュラウドを交換する場合はクレーンを運び込むことはある。

 3号機の爆発は核爆発だと断定できない。水蒸気爆発の可能性がある。水蒸気爆発の研究はここ30年ぐらいのもので、分かっていない事が多い。
 低濃度ウラン・プルトニウムによる核爆発はありえなくはないが、仮に爆発を起こせばもっと大きなものになるのではないか。
 黒煙については、内部の核燃料等が飛び散れば黒煙となるのであって、噴煙の色によって核爆発とは断定できない。

 福島県中通り居住者はすでに1年3カ月が経過しており、仮にチェルノブイリよりも事故の規模が小さいとしても、かなりの健康被害が発生すると思われる。手遅れ。
 東京23区西部での居住について、大人は大丈夫だと考えるが、子供は危険。次女が扁桃腺部分に病変があった。次女だけでも逃がしたい。

 きのこ類は危険。特にシイタケは地面に近いところに生えて、傘が地表の放射能を吸着するので危険。卵も危険。養鶏では鶏の糞を飼料混ぜて食べさせている所がある。毒素は糞に溜まる。その毒素が溜まった糞を食べさせるので、卵に毒素が溜まる。つまり放射能が濃縮される。

 原発をやめるには電力会社や銀行に税金を投入するしかない。電力会社は一度倒産させて再生させることができるが、資金の貸し手である銀行を倒産させることは影響の度合いから考えて出来ない。

 原発という名称がおかしい。核発電である。

    • -

聞き漏らしたり、ニュアンスが違う箇所があるかもしれないが、おおよその趣旨は上記の通り。

 私見:世論を配慮して政治的に再稼働しずらかったのだろう、また慎重派だった米原子力安全委員ヤッコ委員長の更迭と軌を一にしている点を考えると、米政府の要求があったとも考えられる。

 私は広瀬隆氏の著作などを読んで、一定程度原発の危険性について知っているつもりだった。ただ、推進側の本も読んでしまったので、安全対策が取られていることにより、あれほどの大事故が起きるとは考えていなかった。
 起きれば困る、だから事故が起きないと思いたいと、自分で思い込んでしまった。それは間違いだった。経産省保安院が安全対策を不完全な状態に誘導した可能性すらある。だが、万全の対策を行っても事故は起きただろう。今後も原発事故が起きる可能性はあるだろう。
 特に1号機主蒸気配管が地震で破断した事が致命傷だった。原発を稼働させていれば、他の原発でも起こりうるだろう。
 皆さんにお伝えしたいのは、出来ることなら一刻も早く西日本か海外に移住するべきだという事だ。