iPad革命

 むかーし、PalmPilotなるPDAがあった。てのひらサイズの情報端末だ。SonyからもPalmOS搭載機CLIEが発売されて、マニアの間で人気を博した。iPodの原型ともいうべき機種だった。
 東芝Librettoという1kgを切るサイズの小型ノートパソコンを発売していた。HPの300g余の小型Dos/Vマシンもあった。兎に角、小型で勘弁に持ち運べることに魅力を感じる時代があったのである。
 SharpのWindowsMobilePhoneも買ったし。Sonyの超小型ノートパソコンも買った。しかし、「小さいものは使いづらい」という短所があり、あまり活用しなかった。
 最近はスマートフォンの性能が向上して、わざわざパソコンやPDAを持ち運びする必要がなくなたった。しかし、情報の閲覧性能は画面サイズの制約でノートパソコンなどよりも見劣りする。
 ここに湧いて出てきたのがタブレット端末である。iPadには興味をそそられた。が、購入を見送った。「Apple製品の初物は危険」と私のゴーストが囁いた(^o^)/。iPad2はもっと興味がそそられた。RAM容量が倍増して、ブラウザでの不都合が解決した。底面が平になったのも良かった。スマートカバーも開けると自動に電源がオンになって、機能面でも利便を感じさせた。が、また見送った。かつていろいろ買って散財した挙句、さして活用することが出来なかった、私の黒歴史が購入を躊躇させた。
 iPad3(New iPad)が発売されて、すぐに飛びついた。解像度が2048x1536と縦・横共に倍増した。買ってわかったのだが、AppStoreがものすごく便利であり、無数と思われるぐらいの無料ソフトが存在する。学術系のコンテンツも多い。更に英語が堪能なら、高品質な情報を浴びるほど触れることができる。
 ゲームもたくさんあり、シミュレーションからアクションまでなんでもある。タブレットならではの操作体系だが、画面との視距離が短いので迫力もある。音量も結構だせる。ゲーム内容が充実しているものが山ほどあるのは、AppleStoreが全世界展開しているので、集金能力が高く、資金や労力を投入できるので、開発層の厚みがあるのだろうか。また、費用も安い。無料で済むのもあるし、課金してパワーアップしても精々850円程度だ。
 600g程度と軽量だが画面の情報量は多い。タッチパネル操作なので、操作もスイスイ楽である。多少動作が重いと感じたが、iPad2よりは速くなっているそうである。昨年発売になったiPad4はもっと速いそうだ。
 iPhone5やiPad4はSoCの製造プロセスが32nmにシュリンクし、電力消費も低減した。タブレットは電池容量が大きいので8-10時間程度は動作すると言われている。
 タブレットは成熟が一通り行き着いた感じがある。iPadキラーのGoogle Nexus10が日本国内でも発売されれば、市場は更に活況を呈するだろう。
 搭載電池容量が比較的小容量のスマートフォンは電池の持ちがネックとなっている。Sharpの省電力IGZOパネル搭載や、さらなるSoCのシュリンク・省電力で電池稼働時間が増えて、成熟が増していくだろう。

 iPadはノートパソコンの存在意義を低下させた。モバイルゲーム機としても秀逸で、3DSとかPlayStation®Vitaとかまるっきり欲しいと思わない。iPadのおかげで出先でもウェブやWikipediaを閲覧できる。なんでも検索できる。必要ならさまざな辞書を導入できる。いたせりつくせり素晴らしい情報端末だ。
 MacOSマシンの購入もひとしきり考えたが、見送ることにした。ノートパソコンもモバイル重視のモデルは購入しないことにする。もしノートパソコンを買うのなら、15インチ重量級のモデルになるだろう。iPadでモバイル用途はほぼすべて事足りるのである。
 正直国産メーカーにもっと活躍してほしい。国産機はAppleに画面解像度などのハードウェアスペックで遅れをとっている事もさることなら、ユーザーインターフェイスやドライバーの完成度がいまいちな製品がある。「ものつくりの日本」がものつくりで負けたら、後がない。頑張って欲しいと願う次第である。