誰も責任を取らないので、また原発事故を起こします。テヘペロ。

 福島第一原発事故の前に2007年中越地震によって、柏崎刈羽原発が損傷し、火災が発生する事故が起きた。地震の際には渋谷で「9条ネット」という政治確認団体参議院選挙応援としてビラ配りをしていた。候補者が原発の危険性を必死に訴えていたのを記憶している。地震には気付かなかったが、事務所に帰ってくると、テレビでは柏崎刈羽原発の火災の様子を映していた。それみたことかと思ったし、何か悪い予感がした。
 311後に知ったのだが、安倍総理(第一次)は国会答弁で原発の全電源喪失に対して「万全の体制」を取っていると答えている。しかし、福島第一原発は3基も炉心溶融事故を起こした。
 何を持ってして「万全の体制」なのか。そこまで言い切ったのだから、本来責任を取って統治機構から外れるべき人間が、行政府の長として君臨している。以後発生する放射能禍は甚大であり、疾病や死者の増大で、産業力は大幅に削がれる。この責任をどうやって取るのかといえば、金銭で保障して移住しかない。しかし、ごく僅かな人たちに給付金が払われているだけで、本来の救済措置が取られていない。
 復興庁というのが311後に設立されたが、予算の承認を得る手間が増えただけで、予算流用の実態が曝露されて、本当の役割は「復興させない庁」だと言われている。その復興庁が「福島のエートス」のような運動を立ち上げると宣言した。やってることがまるで、人民の救済を考えていないのであって、むしろ、人民を虐げるために活動しているのだと言っても過言ではない。

 「万全の体制」と言い切った安倍晋三が総理なら、電力業界が「20年かけて慈しみ育てたと」褒めそやされる原発族の甘利明内閣府特命担当大臣としてTPP交渉の代表となっている。つまり、この国は原発事故戦犯を担ぎあげて統治運営を遂行する意思をこれでもかと表しているのであって、人民を愚弄するのは朝飯前であり、情報統制法を次々と制定し人権を剥奪するのに忙しいのである。

 地震に弱いGE製マークI型原子炉は見事に炉心溶融した。同時にこの国の統治機構炉心溶融している。福島第一原発1号機は津波が来る前に地震で全電源喪失となっている(1)。主蒸気配管が地震で破断したという作業員の証言もある。これをきっかけにして2号機・3号機も14日に炉心溶融に至っている。2号機・3号機については人的対応失敗が指摘されている。実際、隣で炉心溶融している原子炉の隣で的確な対応ができる人がいるのかと言われれば、無理そうではある。
 2011年3月15日には4号機で火災が発生し、東電は米国大使館に直接SOSの電話をしていることが公電で明らかになった。
 2011年3月24日には自衛隊統合幕僚監部が米軍に放射能防護服、線量計、呼吸器などの機材支援と放射能防護の技術者(軍人・民間人)提供を要請している。これでは「万全の体制」からは程遠いと言わざるをえない。(2)

 行政側での責任を問われる人物といえば、望月晴文元経済産業事務次官だが、311後に「割増退職金を受領して」日立製作所社外取締役天下りしている。その日立は青森の大間でフルMOX原発を建設している。
「世界で初めて『フルMOX』やるのに説明もない」
函館市長は「大間原発」の差し止め提訴に踏み切った。大間原発は、原子力規制委員会の新規制基準による安全性の審査がなされていない!福島原発事故の原因を解明していない中で、安全確保は不十分だと指摘している(3)。

 昔、私は浜岡原発にデモに行ったことがある。とにかく巨大な敷地であり、人間の輪なんかつくってもケシ粒ほどでしかなかった。むしろ、徒労感ばかりが残り、脱原発運動をやる気が失せた。その浜岡原発廃炉運動の影響もあってか、1号・2号機は廃炉になったが、4号機を再稼働申請するそうだ。防波堤を作ったのだが、写真で見る限り薄い。両脇の川から津波が侵入するので、防潮堤としては無駄である。
 もっとも、再稼働の可能性が高いのは伊方原発だと言われている。何しろ責任とらないことでは世界でも類を見ない愚鈍な民族が構成する国家なので、再稼働した原発が再び大事故を起こす可能性は高い。ドイツの研究機関では10年-15年後の間に日本で原発事故が発生すると予測している。西日本で甚大原発事故が起きたら、放射能雲が日本列島をなめ尽くし、人も物も郷土もすべてが放射能汚染される。
 発電は火力・水力・節電で乗り切れば良いので、原発なんかいらないのである。核燃と金融システムは破局的な事象を起こす点では似ている。米国のリーマン・ショックを引き起こしたのは「不動産担保証券」である。金融核爆弾の爆縮とも言える現象がおきた。原発不動産担保証券も不要である。どちらも、経済を膨らませる効用はあるが、破局的な事象を発生させる副作用があるからである。現実社会はゲームの様にリセットすれば良いのものではない。持続的な運営が最優先で求められている。無責任スーダラ統治機構の日本ほど、原発の運用に向いていない統治機構は地球上に存在しない。 

 全人民は福島第一原発における行政上の責任追求に尽力し、原発再稼働を阻止し、再び原発甚大事故の発生が起こらないように奮闘しなくてはならない。


(1)再論 福島第一原発1号機の全交流電源喪失津波によるものではない……伊東良徳
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/eKagaku_201403_Ito.pdf

(2)〔フクイチ核惨事〕 2011年3月15日午前9時38分「4号機で火災発生」その直後に、東電、なんと東京の米国大使館に、直接、SOSコール!
「核燃料、そして/あるいは油が燃えている」
「消防車、ヘリで消火してください!」http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2014/02/post-c24a.html

(3)「世界で初めて『フルMOX』やるのに説明もない」 函館市長カンカン、「大間原発」の差し止め提訴へ(J-CAST
http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/476.html