核燃団の行動原理と対立する経済縮小前提の脱原発

1.そろそろ、311から3年経つ
 2012年2月20日、関東地方に在住している住民の80%が放射性物質によって3年後に死亡する そんな驚愕のデータをベラルーシ共和国放射線対策委員ヨハネスク氏が発表した。(*1)
 これについてネットでは、人が死んでないではないかと揶揄する声が上がっているが、死亡したり病気になる人が増えているのは確かであるし、出生数も減少している。それに311後は路上で救急車を見かける頻度が高まった。被曝における最大の問題点は遺伝子不安定性にある。遺伝的影響悪化は未来永劫日本民族を苦しめることになる。
 私の母方の祖母も今度の311を超えられるかどうかという状態で、命が消えかかっている。92歳にもなるので、衰弱激しい現状を乗り越えられるとも思えない。食事に気をつけるように言ったり、飲料水や料理に使う水は必ず浄水器を通した物を使っていたが、実家はいかんせん海産物系に対する警戒感が薄かった。おそらく私の両親も数年で、大病を患うことなるだろう。とにかく、如何に説明しても、必要な情報をプリントアウトして渡しても、わかろうとしないのある。テレビと御用新聞にずっぽりハマって抜けられないのである。バカは死ななきゃ治らないというが、死んでしまえば終わりである。
 衰弱は被曝だけではない。祖母の末娘が福祉施設や病院通いと称して連れだして、有り金全部、銀行やゆうちょから引き出した。犯罪なのだが、身内の話なので警察も取り合わないだろう。悪魔の所業とはこのことだ。この事件での精神的なショックも衰弱を招く一因となっているだろう。わざわざ身内の恥を書くのは、今後日本社会においてこのような【カネの奪い合い】が避けがたいので、注意を喚起する意味合いがある。誰に対してもカネを貸してはいかんし、出資していはいけないのである。むりやり福祉施設に通わせた時に何を食べていたのか分からないが、「食べて応援」な食事だったのではなかろうか。
 放射能禍は健康を奪い、経済困窮を深めていく。本来あるべき「よりよい財やサービス」を提供するという本義本則から外れて、詐欺まがいの行為に走り、互いに身を滅ぼす話が増えるだろう。

2.核燃利権
 石原慎太郎鹿島建設社員を秘書に使い、利権を与えて、その関係で地保を固めた。カネへの欲望が先にあって、人民の安全というのはないがしろにする。であるから、被災地の放射能瓦礫を積極的に受け入れ焼却して、利権を確保した。大阪の橋下も同じ構図だろう。橋下はもっと悪辣で、反対する人達に警察権力を使って弾圧を行った。平成の瓦礫焼却大弾圧といっても良い。瓦礫処理も利権なら、除染も利権である。本来、汚染地域の住民を立ち退かせるのに使うべきカネが、ゼネコンや産廃業者に吸い取られていく。
 核燃団に政治は買収され、学術も買収され、マスコミも買収されている。買収資金は元を辿れば国家予算であって、官僚機構が核燃を支配している。核燃により人的損耗が発生するので、当然反発もでるが、これを内閣府が様々な手法で抑止する。
 財務省電源三法電源開発研究費などの予算を通じて、長きに渡って原発に関係する組織にカネを流してきた。予算は立法を基礎にするとはいえ、予算折衝は財務省主計局と各省庁からの要員で決定される。彼らは東大法学部の学閥で構成され、現代の老中統治機構となって君臨している。財務省の権限は原発核燃の帰趨を決することになるだろう。

3.「エウレカセブンAO」が語る原発
 アニメ作品「エウレカセブンAO」(以下エウレカAO)(*2)には情報統制機関としての「内閣府」が登場する。内閣府が出てくるアニメは初めてではなかろうか。アニメ「Darker Than Black」では総務省諜報機関が出てくるが、わざと外したのだろう。
 MBS竹田菁滋プロデューサーはアフガニスタンイラク戦争に対する返答として「Blood+」を製作し、311に対しては「エウレカAO」を作成したと見て取れる。「エウレカAO」は一見さんには敷居が高いマニアックなアニメ作品であることをお断りしておきたい。
 エウレカAOの世界では仮想の並行世界が語られる。その仮想世界は今の我々の世界を指しており、突発的な局所的地殻変動が起きるエウレカAOの世界では原発はエンルギー源の選択肢にはないと、「虚構の中の虚構という現実世界」を用いて自然現象に対する原発脆弱性を突いている。
 軍事面では強権的で広告会社を通じた情報工作を行うアメリカの存在や、トラパーというエネルギー源を基礎に独立を志向する琉球(沖縄)や、トゥルースという異世界の生命体と取引する日本政府、軍事組織であるゲネラシオン・ブル社などが入り乱れて、話しは展開する。隠喩を用いた原発批判をアニメ上での表現限界ぎりぎりを追求したと思われる。
 興味深いのは財務省高官の存在である。計画を提案しても予算がなければ、遂行できない。予算の認めない財務省高官をツゥルースは車ごと爆破してしまう。
 原発事故後の東京を舞台にしたアニメ「コッペリオン」が、極力原発放射能を隠した演出をしたのとは対照的に、エウレカAOはエネルギーや国家の戦略面から原発の存在への疑義を婉曲して表現した。

4.小泉流脱原発は実現するのか?
 小泉元総理は細川氏の応援演説に連日参加した。雪が降っても演説した。今までの経緯があるので、左派からは反発があるのも、私にはよく分かる。だが、原発核燃からの脱却は日本民族の悲願であるし、成し遂げられなければ我々の生物的に「未来がない」。いや既にないのかもしれない。だから、小泉批判はしたくなかったので黙っていた。
 戦場ジャーナリスト志葉玲氏が選挙期間中に
「小泉さん!イラク戦争支持の責任は?」
と問いかけた。小泉氏は無言で手を上げて立ち去った。(*4)
 米軍がイラク戦争で使用した劣化ウラン弾の原料が関西電力四国電力が提供したのでないかと指摘されている。火災事故を起こした三井化学岩国大竹工場にはドラム缶3400本分の劣化ウランが保管されていた。触媒に使用するためと言われるが、それにしては量が多い。三井化学岩国大竹工場は劣化ウラン弾を作って岩国基地に納品しているのではないかとの推測がある。
 米軍はグァムの米軍基地内で劣化ウラン弾を製造しているが、量はそれほどではないという説もある。主力生産地は三井化学岩国大竹工場ではないかと疑われている。
 「劣化ウラン」というが天然のものよりもウラン235が少ないだけで、ほぼウラン238である。固形のままであれば、外部被曝だけ考えればよいか、弾頭として使われた場合、炸裂と同時に高温となり微粒子化して周囲に飛び散る。粉塵化した放射能が体内に入り内部被曝を引き起こす。
 イラク戦争劣化ウラン弾と思われる対人被害状況の報道をみて、
「あー、何か悪いことが起きなければ良いが」
と考えていたが、311の3号機爆発をみて、
「因果は巡るのだなぁ」
と感じ入った。
 だから、志葉玲氏の怒りもよく分かるし、私がブログで拙文を書き始めたのもイラク戦争がきっかけである。ワールドピースナウが主催するイラク戦争反対デモは4万人にまで膨れ上がったが、警察は主要な人物3人を逮捕して沈静化させた。そういった経緯もあって、当初、小泉氏の脱原発ってどうなのよ?ってのが素朴な意見だった。
 選挙期間中の演説を聞くと、細川氏は金町の浄水場残土から放射能が検出された話をしている。つまり、被曝の問題にも踏み込んだ。福島第一原発が危機的状況であるあることも語っている。(*5)

 小泉氏はフィンランド放射性廃棄物地下保管所のあるオンカロを視察して、廃棄物管理の難しさを特に主張していた。また、自然エネルギーへの転換を訴えた。2人の話を比較すると、細川氏の方が深い所まで考えているという印象を受けた。
 私は小泉氏の脱原発の動機をウンウン毎日考えた。スポーツ誌がいうところの進次郎氏がどうのというのは、さして重要な要素ではないだろう。私怨かな?と思っていたら、どうやら、私怨らしい。ラ・ターシュに魅せられてから抜粋すると、(*3)
「危険な原発を今後も動かすってのは正気の沙汰じゃない・・これがまず第一。 あぁ、あと原発について言うと・・竹中に騙されたって言ってたね。 もんじゅのこと言ってんじゃないの? 竹中の野郎! 何がもんじゅの知恵だ! なんて言ってたよ。 しかも・・竹中について言えば・・原発マフィアから・・億単位のカネが行ってんだってね。 それはそれは・・怒ってたよ。 あと・・竹中と一緒になって・・裏切ってたのが・・今や官邸のウラ奉行なんて自分で言ってる飯島だよ。 流石に大物秘書はやることが違うよ。 後援会のカネくすねるくらいなら笑って済ませられるけど・・経団連クラスの会社から、小泉の名前使ってカネ引っ張ってたからね、アイツ。 バレないと思ったのかね・・バカだね。 そして一番の怒りの矛先は・・そうした・・自分を裏切った連中を官邸に迎え重用する・・アベさんに対する怒りだよ。 あの人の怒りに火を点けちゃうと・・消そうとしたって消せないからね。 もしかしたら・・ホントに自民党ぶっ壊すまで・・やるかもよ。 オマエのとこのオヤブンと? まあ・・積年のライバルだし・・YKKの中では・・一番仲悪いよね。 でも・・政策的には・・一番近いんじゃないの? 敵の敵は味方・・こう割り切って付き合える人だから・・必要と判断したら・・手を握ることになるだろうね」(引用終わり)
 別に私怨でも脱原発を主張し行動してくれるのなら、どんどんやって欲しい。だが、小泉氏も勝算があるわけではないのは確かである。騙された経緯上、頭に来たから脱原発というわけである。オンカロの視察も産業界が小泉氏を原発推進の広告塔として使うために用意されたと言われている。結局、核燃団にしてみれば、小泉氏を担ごうとしたらヤブ蛇になってしまった、というオチである。
 小泉氏の脱原発への動機となった、竹中平蔵飯島勲の裏切り、核燃団による買収、そして、安倍政権が重用している事実。これは、安倍政権自体が核燃団の強い影響下に置かれているという事を示唆している。
 情報統制している内閣府も核燃団の一部なので、参加の御用媒体は安倍政権への批判を控えていると推測される。

5.脱原発で経済は縮小しますがOKですか?と正攻法で問うべき。
 ウクライナチェルノブイリ対策に国家予算の40%を使っているそうだ。ウクライナでは2005年の時点でチェルノブイリ事故で150万人が死亡したと公表されている。核燃団・御用勢力・エートスの抑圧下で28年過ごし、ようやく人民が蜂起した。ウクライナには産業活力はほとんどなく、主要産業は原発である。結局ソ連邦崩壊後、ロシアはウクライナを棄国し、別の国にしてかつ支配し、核弾頭用プルトニウムの原料を製造するための原発を押し付けた。
 この関係は米日関係にも言える。米国はスリーマイル島事故を経験し、カーター政権は原発や核燃料再処理を諦めた。原発と再処理工場でプルトニウムを作ることを、日本に担わせた。恐らく佐藤内閣とニクソン政権で密約が交わされているのだろう。このまま核燃への傾倒を続けていると、ウクライナの二の舞いになる。被曝による影響でぶらぶら病が蔓延し、産業の活力が失われていくなかで、核燃だけが国家予算によって存続させられるという最悪のパターンが展開してく瀬戸際にある。
 先日、二見伸明元運輸大臣国会図書館で小泉氏と偶然会ったそうである。そこで、小泉氏は
「学者は脱原発の経済学を作るべき」
という趣旨の事を語ったそうだ。脱原発でも経済が回るという未来図を描けということのようだ。確かに廃炉放射性廃棄物処理にはカネがかかる。電気代で負担するのか、国家予算で賄うのか、どちらにしても、巨額の費用ではある。
 だが、原発のような膨大な金食い利権の塊みたいな産業を閉鎖すれば、経済規模は小さくなる。不安定で高コストの風力は無駄だし、地熱発電環境負荷が高すぎで、今まで通り温泉として利用した方が良い。太陽光発電はコストもさることながら、耐久性が足りていない。今、太陽光発電目的で売買されている土地で、設置申請が出ているのは10%程度で、殆どが土地転がし目的となっている。
 結局、水力をベースにして火力で電気を賄うしかない。節電も必要だし、膨大な電力を消費する高層建築物や、オール電化は禁止するべきである。とどのつまりは、細川氏の言うところの「経済成長を諦めよ」ということになる。どのみち、量的緩和という通貨価値低減政策の作用により、今までのように膨大な輸入に頼ることは不可能になる。
 産業界は民需が低迷すると、ますます官需にのめり込む。しかし、供給を担う国家財政は実質的に破綻状態で、国債金利の暴騰で増発は抑制される事必至である。異様な核燃への傾倒や、軍事的緊張の引き上げ行動は産業界側の「欲望」にも起因している。
 これに対して我々は、
「今後物的に貧しくなる、だが、持続的な社会の運営のために、脱原発を目指さざるを得ない」
と、成功法で問うべきである。

(1)関東地方在住者は3年後に80%が死亡か 2012年2月20日 サイエンス
http://ab5730.blog.fc2.com/blog-entry-55.html
(2)エウレカセブンAO
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%A6%E3%83%AC%E3%82%AB%E3%82%BB%E3%83%96%E3%83%B3AO
(3)「小泉劇場不発? 竹中には騙されたし・・飯島は裏切った。 でもまぁ第2幕・・楽しみにしててよ! 」 小泉純一郎
http://latache1992.blog56.fc2.com/blog-entry-668.html
(4)拝啓 小泉純一郎様 「脱原発」語る貴方が答えるべきこと
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20140129-00032098/
(5)脱原発派、細川護熙氏の話が超ヤバイ  「福島の影響で、北極海のシロクマなど生物が大量死してる。ロシアの極秘資料で見た」
http://www.youtube.com/watch?v=WEniKXmR8s4