タワマンという名のモアイ像

1.ふじみ野に31階のタワーマンション、そんなに高い建物が必要なのか?

  阪神淡路大震災での直下型地震による縦揺れ衝撃波がもたらす建物の座屈現象について、原発の耐震性への疑義につながりかねない関係からか、秘匿される傾向にあり、巷間、縦揺れによる建物倒壊の危険性について語られることもなくなってはいるが、いつの日か首都圏を直下型地震が襲う事となる。
 阪神淡路大震災では鉄筋コンクリート造の座屈現象がめだったが、鉄骨造の鉄骨溶接部の破断現象も数多く見られた。私が心配するのは鉄骨造の超高層建物における倒壊である。一旦倒壊が始まると、WTCのようにバラバラと全壊する可能性があるのではないか?

埼玉県ふじみ野市に日本で初めて誕生した「アウトレットモール・リズム」 というのがあったが、閑古鳥鳴きまくりで閉店し、イオンが主体のモールとなった。そこそこ客は入っているようでは有る。その隣に、ふじみ野初の高層ツインタワーマンションが建った
「リズムタワー I」
【施工済】1993年6月・22階建・157戸
「リズムタワー II」
【施工済】1993年6月・22階建・289戸
本当は、ふじみの駅が500m程度南側に出来るはずだった。そうすれば、ツインタワーは駅前になる予定だったのだが、地権者の関係からか、北側に駅が出来た。
 22階建てと奮発したのに残念といったところだが、仰天することに、ふじみ野駅西側に31階建ての「アイムふじみ野タワー」というタワーマンションが2棟も建った。他にも15階ぐらいのも4棟ぐらいできた。悪いが、埼玉もかなり川越より、しかも東西への交通は脆弱なこのふじみ野に31階建ての建物が必要なのか甚だ疑問である。
 近くのラーメン屋さんに聞いたら「煙となんとかは高いところへ上るというからね」と返答された。販売価格もかなり高価なようだが、そんなに高いカネはらうのなら、一戸建てが買えるじゃね?とか思った。

 寝室からそれらのタワーマンションが1kmぐらい先にずらっと見える。夜になると整然と電灯が灯り、ネルフの新東京都市みたいな感じだが、
「こんな田舎に、こんな高い建物たててバカじゃねーの」
って毎日思っている。


2.東武鉄道が資本投下すべきなのは電波塔ではなくて、踏切の立体交差
 
 話題のスカイツリーだが、強風時にはエレベーターが使えないので営業しないそうだ。降雪時には凍結した雪塊が落下して近隣の建物を破壊する事故も起きている。

スカイツリーの電磁波、ハンパじゃないですね!?
http://news.livedoor.com/article/detail/6977942/
http://healthy88.com/denjiha/
東京スカイツリー周辺における電磁波測定調査
http://skytree.org/article/20130611%E3%80%80%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%91%A8%E8%BE%BA%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E9%9B%BB%E7%A3%81%E6%B3%A2%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E8%AA%BF/

と、電磁波の影響が懸念されている。

 携帯電話の電波塔と単純に電波出力換算値で比較すると、10km先まで電磁波の影響がでるのではないかとの指摘もある。(要検証)

さいたま新都心駅から200mの場所にある「三菱マテリアル」には、劣化ウランやトリウムなどが含まれるドラム缶が30,910本も存在
http://www.asyura2.com/13/cult12/msg/502.html
ニュークリア・デベロップメント(株)大宮管理室(埼玉)9,196本
三菱マテリアルの敷地内)
も含めると40,106本分の劣化ウラン収納ドラム缶がさいたま市に存在する。

日本各地に77000本も保管されている大量のウラン!その裏には原発利権とアメリカの影! 日本製劣化ウランが戦場で使われている?
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-475.html

原子力船「むつ」の燃料として我が国発のPWR燃料を製造
http://plaza.rakuten.co.jp/papermoonsayoko/diary/201208280000/

1950年代には原子炉があり、原子炉から排出された廃棄物(劣化ウラン)がドラム缶に溜まっているとも報じられた(要検証)

 埼玉県のさいたま市東京スカイツリーの候補地に挙がったが、埼玉新都心劣化ウランやトリウムなどが含まれるドラム缶が4万本もあるので流れたと、地元では噂されているそうである。私の住んでいる場所が10km程度の場所なので、スカイツリーさいたま市に出来なくて良かった。

 私の住んでいる場所からの最寄り駅は上福岡駅なのだが、自宅からの道路事情が悪い上に交通量が多い県道をまたがなくてはならないので、ふじみ野駅を利用している。
 所沢-ふじみ野-大宮をつなぐ埼玉県道56号線と東武東上線の立体交差工事は事実上頓挫したままである。線路付近道路と線路内の拡幅は行われた。以前は踏切内部の道路が狭くなっており、交通渋滞を引き起こしていた。渋滞が多発する県道56号線での交通事故も多く、私も小学生の時分にはめでたく自動車に轢かれている。
 東武鉄道では人身事故や交通事故が相次いでいる。特に東武東上線は私鉄では人身事故NO.1である。12日・13日で交通事故1件、人身事故2件が起きている。
 東武東上線での人身事故、交通事故、遅延事故が多いのは偶然ではない。放射能禍や経済情勢の悪さも影響しているだろう。志木駅よりも北側は交通量が多い道路でも平面交差が多い。必然的に事故も増える。東武グループにカネが無いのなら仕方ないが、どうやら、カネはあるらしい。
 東武鉄道東京スカイツリーという634mにもなる電波塔、観光施設をぶっ立てた。東京タワーに比べると随分とスリムである。ボンズの『東京マグニチュード8.0』アニメ作中での一つの山場は東京タワー倒壊のシーンである。この出来事が物語の悲劇性を高めることとなる。その東京タワーよりも倍近く高く、しかもよりスリムな「東京スカイツリー」の耐震性は大丈夫なのか?ニュートンの大地震特集号では、地割れで水路となった周辺地帯にスクっと「東京スカイツリー」が立ち続けている絵を載せていたが、本当に大丈夫なのだろうか?

 東京スカイツリーは電波の発信位置を高くして、死角を減らし、ワンセグ受信状況改善を目指すというのがお題目なのだそうだが、ワンセグなんか見てる人はいるのか?フルセグというのもあるようだが、テレビを見るなら、普通にアンテナかCATVを通じて受信してみるだろうし、衛生放送がある今では地上波に絶対的に拘る理由はない。無駄な資本投下で国富を浪費するのはよろしくない。

 東武鉄道は幹線道路との立体交差やホームドア設置に資本投下すべきではないのだろうか?

 東京電力はあちこちに保養施設や余剰の不動産を持っていたようだが、余剰不動産を処分して原発の保安設備に資本投下していれば、【原発震災】を引き起こさなくて済んだ可能性がある。
 
 鉄道会社にしろ、電力会社にしろ、いかなる商売の法人にせよ、余剰資金や余剰設備を本業の生産財への資本投下を優先すべきなのではなかろうか。 

3.タワーマンションは無用の産物
 タワーマンションの利点は眺望と言われているが、1年で飽きるそうだ。風が強ければ窓も開けられない。揺れるので、過敏な人は住めない。高層階の住人は流産が多いとの調査結果もある。容積率いっぱいで立てているので、立替再分譲が難しい。
 タワーマンションというのは、「鉄骨造」なので、軽量化が必要であり、内部も外部も基本的には軽量の建築部材が用いられている。外壁にはALC版(気泡軽量コンクリート)、住戸間の戸境壁などには、鉄筋コンクリートではなく、乾式工法の戸境壁などを採用している。よって、隣戸の生活音が聞こえやすい。

 横揺れ周期に対して、建物の高さが同じだと、共振してより一層揺れる。長周期地震動については対策が検討されているが、ある一定以上の揺れが来た場合、建物が破損したり、倒壊する可能性は否定できないと思われる。400tもの錘(おもり)を屋上に吊り下げて、揺れとは逆に錘を揺らして揺れを軽減するという手法があるようだが、直下型地震における縦揺れ衝撃波が来た場合、重量物が上部にあるので被害を拡大する恐れがある。縦揺れは衝撃波となって最上階までやってきて、反射したあと自重と共に躯体に衝撃がのしかかる。しかも、短い時間に振幅を繰り返すので「建物を軽量化」するしか対策がない。免震工法というも試行錯誤の最中であり、揺れを増幅するとも言われている。また、一度大地震に見舞われると、バネやゴムが破損して、次の震災には機能しない可能性もある。

 安政江戸地震で、深川あたりは残る家もないほど甚大な被害を受けた。東京を震度7地震が襲えば、おそらく江東区周辺はまた甚大な被害を受けるだろう。いくら建物が頑丈になったとはいえ、地盤の緩い沖積層の堆積地帯である。この地盤の悪さは変えることができない。

 関東平野は3つのプレートが重なりある地震の要衝であり、世界的にみても1・2を争う地震危険地帯である。このような地域にそれこそ星の数ほど高層建築物を立てててしまった。それらは電力消費のモンスターであり、電力需要を押上げ、原発政策推進にお墨付きを与えてしまった。

 安冨歩氏によれば「高度経済成長期に、東京タワーが立って、新幹線が走って、東京オリンピックが開かれたからといって、東京スカイツリーを立て、リニア新幹線を走らせて、東京オリンピックを開いても高度成長は起きない。こんなのまったくの呪術政策だ。イースター島のモアイとおんなじで、島が滅んでしまうぞ」ということのようだ。

 まってくもってその通りだろう。リニア新幹線の電力は柏崎刈羽原子力発電所を再稼働して賄うと言われている。南アルプスを貫通するトンネル掘削は困難を極めると予想され、7兆円と見積もられている工費は3倍に膨らむとも予測されている。

 本当に巨大建築物が必要なのか考えなくてはならない。確かに高速交通網として新幹線は有用だった。衛星放送が無かった時代の東京タワーにも存在意義があった。東京スカイツリーリニア新幹線は必要性が殆どない。僅かな便益を得るために巨額の資本投下を行うのは、国富の浪費であり、構造物としての危険性を背負い込むことにもなる。

 私にはなぜタワーマンションに巨額の費用を費やすのか理解できない。ロック式の大型マンションはセキュリティは良いかもしれないが、別に超高層建築である必要はない。構造物として大型化すれば、地震や火災のリスクは増加する。
 土地が少ないというのも、都心に限っての話しであって、練馬区にくれば練馬大根が名産というぐらいなので、畑が随所にある。局所的に高層建物を建てるのではなくて、都市部を郊外へ広げていけば良かったのではないか?
 数年内に東京をM7級直下型地震もしくはM8級海溝型大型地震が直撃する。M7級が複数回来たあとにM8級が来る可能性もあるだろう。その度に、阪神淡路大震災を遥かに超える甚大災害が繰り返えされるのではないか?福島第一原発破局事故を経験した我々は、再び3.11を遥かに超える、建物倒壊と火災による甚大災害を経験することになるだろう。
 私は東京に行く度に、建物が隙間なく林立した空間に接して、鬱屈した感覚に囚われる。NHKの「沸騰都市シリーズ」での東京は高層ビル及び地下開発を紹介していた。地下には網の目のように鉄道や道路や配管や河川が通っている。掘削をしている分、地盤が脆弱になると推測される。巨大地震で地下部が破損し、水が流れ込んだら、目も当てられないような事態になりかねない。

 タワーマンションとは現代に蘇ったモアイ像である。モアイ像建立には宗教的意味があったと言われている。その結果、イースター島の森林資源を使い果たし、人口が急激に減った。日本の場合は、薄っぺらい優越感に浸るために高層建築物建設へ傾倒した。膨大なエネルギー浪費を前提とする高層建築物依存は、国富を浪費し、失政も絡んで、いずれ通貨価値の喪失へと至るだろう。その時点で、輸入は細り、従来のように膨大な資源を費やして産業を動かすことは不可能となる。地震で傷んだり、斜めになった建築物はそのまま放棄され、スラムと化した領域が具現するだろう。