住宅ローン生き地獄!

1.金利は上昇する
 国債の発行残高が1000兆円を超えても「大した事無い」という論調がある。国債という名前が本質から外れている。国債は徴税権を担保に発行される債権である。つまり、国民債とか人民債というのが実情であって、政府の借金ではなくて人民の借金である。誰もが払うつもりもないし、払えるとも思っていない。そもそも、担税力がない。1000兆円をきっちり返済しようとして課税を強化すれば、市場が収縮し、ますます税収が落ち込む。
 今までは借金しながら楽に経済を回してきたが、どの時点かで、歳入分で予算を組み、なおかつ利払を行わなければならない時が来る。これを回避しようとして、ゆるやかなインフレーションにすれば、借金を解決するだろうという方策が取られている。かつて、インフレで債務不履行を回避した国は存在するし、それしか回避する手段がない。
 だが、昔と違って過剰に輸入依存している。資源価格は2003年のイラク戦争を契機にしてうなぎのぼりである。1リットル35円の灯油は100円になった。3倍である。円の通貨価値が下落して灯油が1リットル300円とか500円になったらどうなるか?破局的事態になる。国内埋蔵石炭に回帰しようにも、露天堀りの幾つかを除いて、すでに炭鉱は閉山している。先進国で炭鉱掘削を止めてしまったのは日本だけだ。
 だから、通貨安を伴う超量的緩和手法は本来使えないのだが、超量的緩和を持続している。早ければ1年以内に副作用として、国債が売り込まれて金利が上昇する。そうすれば、市中の貸出金利も上昇する。借金がある個人や法人は利払で破産へと追い込まれる。

2.貸し手に有利すぎる住宅ローン契約
 世の中には頭金無しで住宅を買う人が居るらしい。頭金を用意出来ない時点で、賃貸にしとくべきだと思うのだが、「賃貸料を払うよりもお得」と言われてローンを組む。
 この住宅ローンが恐ろしく貸し手である金融機関が有利な契約内容となっている。

○まず、抵当を取る。まぁ、これは良いだろう。ただし抵当権設定をする司法書士は安くやってくれる人を探してきたほうが良い。金融機関側の司法書士だと満額請求される。
 ちなみに、抵当権が設定されている間、不動産所有権は金融機関側にある。住んでいても自分のものではない。
 アメリカは住宅ローンが払えなくなると、鍵を返して退去すれば、残債に対する返済義務はない。ノンリコースローン(英語:non-recourse debt, nonrecourse loan、非遡及型融資)というらしい。
 日本の場合は不動産が競売になっても、最後の1円まで返済しなくてはならない。これはかなり不利である。住宅ローンが払えなくなり、不動産を失っても借金だけは残るという鬼畜システムであるが、文句を言う人を見たことも聞いたこともない。

団体信用生命保険に加入させられる。ただし金融機関側が負担する。死んだら、残債を保険会社が支払う。自殺が多いのはこの保険の存在もあるだろう。金融機関が負担するといっても、借り手が直接払うわけではないだけで、結局借り手が何らかの形で負担している。
 銀行側が負担するようになったのは、大口契約で割引を受けているのか、自分の金融機関グループが生保を運用しているのだからだろう。

○保証料を払う。
これが悪魔の契約である。担保とってる上に保証料を取るのは法理念上は違法だと思う。保証協会に払う保証料は融資額から天引きされる。保証協会の法人というのが金融機関の子会社だったりする。
 銀行は悪魔ですか?私は悪魔だと思います。
住宅ローン期間によって保証料は高くなる。だから、住宅ローン返済期間は可能な限り短い期間で選択するべきである。だが、金融機関側が年収から換算して高い月額返済金額を認めない場合がある。
 契約時に前倒し返済すれば保証料が戻りますよ、と私は武蔵野銀行の銀行員に言われた。その通りに、前倒し返済をしたら、確かに最初はお金が戻ってきた。ただしその都度、事務手数料10500円取られた。事務手数料が高すぎる。
 その後、数度に渡り前倒し返済及び返済期間短縮を行ったが、途中から契約が変更になって、殆ど保証料が戻ってこなくなった。はっきり言って詐欺だと思う。契約途中での約款変更が可能なら、もうなんでもありである。

○連帯保証人を取る
 はっきり言って銀行氏ねと思う。連帯保証人制度そのものが、キュゥべえと契約するようなものである。貸し手には、借り手名義人・連帯保証人どちらにも「等しく」返済を迫る権利がある。連帯保証人になった人は「自分が借金を負った」という意識がない。
 連帯保証人には絶対なってはいけない。というか、この制度そのものがおかしいので、民法を改正して無くすべきである。とググってみたら無くなるようである。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14108715349
無くなってしかるべき悪法である。連帯保証人になって債務返済を迫られて自殺した人は多いと思う。そもそも、連帯保証人になるような人は「お人好し」なので、いざ「追い込み」がかかったら、あっけなくこの世からおさらばしてしまうだろう。

 親子でもないのに、連帯保証人になって欲しいと言われたら、その場で絶縁するべきである。

○火災保険の加入させられる
 担保や保険に入らせておいて、火災保険にも加入させられる。この金額が大きい。また、火災保険自体が柱も残らないほどこんがり丸焼けにならないと、満額でない。消防車が消火するので、こんがり丸焼けになんかならないから、一部しか給付されない。
 銀行側が用意する火災保険には加入せず、安い火災を探してきて加入する。出来ることなら、短期契約で、初期負担額を少なくする。

3.住宅ローンは大きな大きな落とし穴
 日本は自殺者が多いと言われている。年間自殺者3万人、死因不明15万と言われている。抗鬱薬の処方も自殺の原因となっているようだが、うつっぽくなるのは経済的な面も大きいのではなかろうか。
 安易な住宅ローンで過大な債務を負って返済に行き詰まる、連帯保証人になって、突然破産に追い込まれるなどという経済困窮も自殺者の増加に寄与していると考えられる。
 であるから、極力カネを借りてはいけないのである。ところが、世の中、ローンや住宅取得を推奨する。テレビや新聞や世の中が漫然と薦める物には警戒しなくてはならない。 誰も彼もが多額のローンを組んで不動産を買うので、地価が上がる。地価が高いから無理に3階建にしたりして、上モノ価格も高くなる。悪循環である。商業地ならともかく住宅地ではそれほど価値があるとは思えない。商業地区にしても収益還元法で算定するれば、不自然に地価が高いところだらけである。高い不動産価格は不動産取得税や固定資産剤を引き上げる。
 日本国内は富を産みだす能力が低下しているのだから、地価も下がってしかるべきなのだ。日本の地価はGDPの2倍もあるそうだが、国際的には1倍程度が普通の水準である。しかもGDP帰属家賃や公債発行による「膨らまし」でゲタを履いている。
 私自身は反原発論者であったが、311以後「不動産がゴミになる」という現実を目の当たりにして、不動産は永遠の財産ではないということを強制的に認識させられた。
 原発核燃リスクを考えると不動産購入は極めて慎重にならなくてはならない。それでも、自分が住む所はどうにかして確保しなくてはならない。賃貸は賃貸の苦労がある。であるから、極力自己資金をためて、なるべく金融機関からの借り入れを減らしてローンを組むしか無い。
 仮にローンを抱えているでしたら、金融資産はすべて処分して繰り上げ返済に充当する。支出は極力押さえ、不要品はすべて売却して、繰り上げ返済に充当する。借金の残高を減らして、金利や経済情勢の変動リスクに備えるべきである。