イスラム国はサウジがスポンサー?

私の中東認識は、かなり、あやふやなので、備忘録程度とお考え下さい。
私は正しいと思って書いてますが、取り違えや勘違いや事実誤認が入っていると思われます。
ISISはサウジアラビアとサウジの豪族が支援(公式には否定)、反シリア軍(自由シリア軍)を支援しているのはカタール。更に背景には米仏がいる、という図式のようだ。
カタールとフランスは密接な関係にあり、共にリビアカダフィ政権打倒にも深く関与した。
カタールは石油やガスの売上で毎年5兆円の収入があり、これを使って他国に介入している。アルジャジーラカタールの宣撫工作放送局。

シリアでは真っ先に放送局が潰された。

シリア国内は アサド政府軍vs反シリア軍(自由シリア軍)vsイスラム国(ISIS) の状態だが、反シリア軍は実質的には軍事力を失っているとされる。

米仏は反シリア軍によるアサド政権転覆は認めても、ISISによる政権奪取は阻止したい模様。

元シリア大使国枝氏の発言などからISISについて解釈してみる。
国枝氏発言部分には冒頭に国枝氏と付ける。

○バアス党(アラブ社会主義復興党
 バースというと、昔、阪神が優勝したときの主力打者を思い出す・・・。バアス党というのがあって、イラクでは政権党だったが、2003年のイラク戦争で主要な人や軍部は地下に潜ったと言われている。バアス党は社会主義政党であり、イスラム原理主義勢力からは世俗主義に堕落しているとして、敵視されている。

 スンニ派シーア派という宗派の違いでの争いよりも、イスラム原理主義vsバアス党(社会主義政党)の方が強いようだ。


キリスト教圏の先進国から若者の男性のみなず女性もISISに参加している。
この事は、ヨーロッパ諸国では衝撃的なことのようだ。
階級も中産階級のみならず、上流階級の子息がISIS入りしている事例もある。
理由は、鬱屈した社会からの自己開放にあるのではないかとのこと。

国枝氏「イスラム国は、男性の出入りは比較的緩いのですが、女性は出来るだけ返さないようにしているようです。やはり、子供がほしい、それから、イメージの改善を図りたい、ということなんでしょうね」

ハマスイスラエルとの停戦に応じても良いと水面下で提示している。

国枝氏「イスラム国は、サイクス・ピコ協定によって画定された国境に対し、『激しい怒りを持っている』と言われます。一方、アサド大統領は、この国境を動かそうとは少しも思っていません。国境を変えようとしているのは、イスラエルぐらいです
私はダマスカスにいた時、ハマスのことをよく見ていたのですが、欧米のメディアで言われているほど戦闘的ではないんです。67年6月のラインまで、ということで、イスラエルアドバルーンを上げていました」

○1963年以来の非常事態令を撤廃しにも関わらず、米仏がシリアでのデモを煽っている。経緯は複雑であるが、単なる民主的なデモが起きているわけではない。1日で120人も武装警官が殺される事件がも起きている。米仏は反シリア軍に介入している模様(推測)。

国枝氏「3月18日の事件を受け、アサド大統領が演説します。そして1963年以来の非常事態令を撤廃します。これは、反体制派の長年の悲願でした。しかし、国際社会は"too little,too late"と、全く評価しませんでした」
国枝氏「国際社会は、民主的なデモ隊の蜂起に対し、政権側が暴力的に鎮圧していると見なしていました。しかし、6月6日、ジスル・アッシュグールで120人の治安警察官が殺害されています。こんなことを、民主的なデモ隊が行うでしょうか」
国枝氏「7月7日、米仏大使がハマーに行ってデモ隊を激励しています。」

アメリカはイランと親密なシリアを叩いている?シリア内戦にはイスラエルよりもアメリカの意図が介在しているのか?

国枝氏「シリアはイランとつながりがありますね。ネオコンの親玉であるウォルフォウィッツが、シリアのレジーム・チェンジということを、ずっと主張してきました」
岩上「シリアは、ロシアと深い関係がありますね。米国、さらにはイスラエルは、対ロシアという関係からシリアを捉えているのでは」
国枝氏「イスラエルにとってアサド政権は、お互い長い間の敵同士で、平衡関係にあります」

○トルコはISISの動向を見て、シリアへ出兵するかもしれない?
推測だがISISが優勢となれば、トルコもサダト政権打倒のためにシリアへ出兵する可能性があるとされる。ISISはトルコ国境で止まっている。ISISはシリア領内のクルド系のスンニ派を攻撃を攻撃している。(ISISもスンニ派なのだが・・)
国枝氏「ヨーロッパ人もアメリカ人も、トルコ経由でシリアに入り、イスラム国に参加しています。(略)そういうわけで、イスラム国とトルコの間では、かなりの取引があるのではないかと、私は見ています。総領事を含む46人が拉致され、その後に解放される事件がありました。他は殺されているのに、なぜトルコの場合は戻ってきたのか。取引があったのでは」
国枝氏「2011年6月の段階で、エルドアンがアサドに電話し、閣僚の4割をムスリム同胞団に提供すれば、という話をしていました。それを、アサドは一蹴したのですね。つまりその頃から、アサドとエルドアンの個人的なつばぜり合いは始まっていたのですね」

○シリアに介入するカタールサウジアラビア
カタールイスラム同胞団を通じてムバラク政権が倒れたエジプトに介入、シリア反体制派にも軍事物資、金銭面で援助しているとされる。シリア反体制派に渡った武器をISISに転売している連中がいるそうだ。
武器は主に米国製・中国製。米国は赤外線ホーミングの地対空ミサイルは民間機が狙われるのを防ぐために供与していないが、中国製が流入しているとのこと。

国枝氏「カタールは、旧ユーゴスラビアザグレブ周辺で武器を入手し、3500トンの武器がシリアの反体制派に流れたと言われています。ザグレブカタール、アンマンをピストン輸送でつないだと言われています。これは、ニューヨーク・タイムズが報じました」

○ISIS指導者アブ・バクル・アル・バグダディ氏は預言者の後継者であるカリフを宣言。イラクで博士号を取得し、聖職者用のアラビア語を流暢に話す知識人。
版図がさほど広くない状態でカリフ宣言を出したのはなぜか、
国枝氏は「焦っている」との見解。

ISISをイラクバース党の残党勢力とみなす見解もある。
サウジもスンニ派イラクバース党(解体)もスンニ派。今のイラク政権主流はシーア派
シリアは兵站が伸びるのを嫌い、北部から撤退している。ISISはチグリス川とユーフラテス川の上流一帯を掌握。今のところ、シリア政府軍とは住み分けしている?

国際的な巨大資本は資本の自由がない国家体制とは敵対する。
リビアの場合は、アフリカ共同金貨ディナール発行阻止のために潰されたと指摘されている。
ロシア-イラン-シリアの連携を阻止したい、また、中東の近代化を嫌う米仏イの意図があるのではないか。
ウクライナのクリミア(ロシアに併合済)の港から黒海を通じて、シリアと海運ルートがある。これをイスラエルNATOは潰す意図があって、ウクライナを軍事転覆させたと言われている。
ウクライナにはロシアのミサイル産業や核燃産業が存在する。これを米・欧州側が取ることは、ロシア側の怒り(軍事的報復)を招く可能性がある。
ローマ法王は「第三次世界大戦は始まっている」と発言している・・・


(参考)
イスラム国」との戦いは第3次イラク戦争だ 畑中美樹・インスペックス特別顧問に聞く(上) (東洋経済
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/428.html
2014/10/11 「イスラム国」はなぜ中東を席巻したのか “報道されない中東の真実”について、元シリア大使・国枝昌樹氏に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/181134
「前シリア大使・国枝昌樹氏インタビュー:岩上安身氏」 書き起こし
http://sun.ap.teacup.com/souun/15517.html
バアス党
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A2%E3%82%B9%E5%85%9A