対米独立のためエネルギーの自給が急務だ。

1.原発がダメなのは自明
 原発がダメな理由を挙げれば、それで本が一冊かけるだろう。
放射能の対人影響が最大の理由となる。
更にエネルギー自給の観点から言えば、濃縮ウランは100%輸入なのである。(米70%・仏30%)
フランスのようにウランが自国で賄えるのであれば、まだ原発を考慮する理由はある。
個人的にはそれでも原発核燃には依存しない方が良いと考える。
フランスはウラン掘削の核汚染も問題となっている。
日本ではウランが採れない。採算度外視で人形峠を掘り返せばウランを取り出すことはできるが、採算度外視=エネルギーの収支も度外視となる。
ウラン濃縮施設もない。
大量の核燃料を一箇所に集めれば、条件によっては爆発事故が起こりうし、実際に福一で起きた。
結局、原発には何の利点もない。
核武装は国連の「敵国条項」があり、不可能であるし、仮に核武装しても第一斉射の打ち合いで日本は完全に統治機能を喪失する。
だから、核武装も無意味であり、道義的にも核武装するべきではない。

角栄失脚はソ連のチュメニ油田権益確保外交が元と言われているが、それまで濃縮ウランを100%米国依存していたのを、30%分仏輸入へ切り替えたのが原因とも指摘されている。理化学研究所と縁の深い角栄の地元の柏崎に、理研は研究所や工場を持っていた。その柏崎に世界最大発電量を誇る原発が建設された。


2.米帝原油強奪戦争強制参加への道
ドルを基軸通貨として担保しているのは石油(原油)であり、イラクへ攻め込んだ目的も石油確保にある。
気体の石油であるガスは石油のすべてを代替できない。
また、自噴しない石油は採掘費用やエネルギーがかかる。
イージーオイルと呼ばれる自噴する石油の確保が米国の命題となっている。
2006年頃から自噴するエネルギーの採掘量が減少し始めている。
サウジアラビア最大のガワールも自噴しなくなりつつあり、海水を注入している。


南スーダンにおける中国の石油権益とアメリ
http://blkstn0.jugem.jp/?eid=16
『つまりはこの紛争の影には、スーダンの石油権益を中国から横取りしたいアメリ
の思惑が絡んでいます。事が進めば中国も、大きな権益を失うわけですから、これは
もう黙ってみてはいられないといった状況になったのではないでしょうか。』

米国は南スーダン自衛隊を使いたい。
既に自衛隊PKOで参加している。
戦争法制によって、自衛隊の活動範囲や役割を拡大させるのだろう。

日本には軍隊を出す動機がない。
1つには軍隊を出さなくても円で原油は買える。
日本はイラク戦争兵站などで参加させられたが、結果としてイラクの石油権益を一つも押さえられなかった。
 
 孫崎享氏がイラン大使だったころ、ハタミ大統領を日本へ招聘し、平沼外務大臣との間でアザデガン油田開発権獲得の調印をした。
しかし、チェイニー副大統領が直接圧力をかけて日本人を現場から外していき、最終的に日本は権益を放棄させられ、現在は中国が採掘権を得ている。

なんのことはない、米国は日本の石油の権益を渡すつもりはさらさらない。
日本からカネを絞りとって、今度は命も供出させようとしている。
こんな、米国に追従していてはいけない。
結局、対米隷属に伴う費用や命は人民が支払うのである。
今こそ対米隷属構造そのものを打倒すべく、あらゆる手段を取る必要がある。
そのためにはエネルギーの自給率引上げが喫緊の課題なのである。



(参考)【田中角栄 封じられた資源戦略/山岡淳一郎】石油メジャー支配からの自立のため、角栄はエネルギー供給源の多角化を掲げた。供給源の多角化は、インドネシアルートを増やす事、チュメニ油田、北海油田。エネルギー...
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/40202440 #bookmeter
田中角栄の資源外交。1973年秋、仏、英、西独、ソ連を訪問、仏とは原子力発電のためのウランの濃縮加工工場の共同経営。英とは北海油田の共同開発。独とは原子力発電の共同開発。ソ連とはチュメニ油田の開発で協議。』