イギリスのマイケル・ジャクソン「デヴィッド・ボウイ死去」

　デヴィッド・ボウイが亡くなられた。音楽シーンに与えた影響は大きい。
　レディーガガはグラムロックミュージシャンとして、デヴィッド・ボウイの影響を受けていると公言している。
　日本のバンドBOOWYはデヴィッド・ボウイの名前が由来である。

　長いキャリアを荒っぽく分けると、
ジギースターダスト（the rise and fall of ziggy stardust and the spieders from mars）の前と後ということになる。
アルバム「ジギー・スターダスト」と「ジギー・スターダスト・ラストライブ」は必聴である。

　音楽的に細かく分けると５期ぐらいになるらしいが、私はあまり詳しくない。
姉が『レッツ・ダンス』を聞いていたので、そこでデヴィッド・ボウイを知った。
映画「戦場のメリークリスマス」も話題になった。

『風が吹くとき』レイモンド・ブリッグズ
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E3%81%8C%E5%90%B9%E3%81%8F%E3%81%A8%E3%81%8D
核戦争の悲劇を描いた衝撃作であり、児童文学における歴史的傑作である。
後にアニメ化され、ちみつなアニメーション描写と、悲劇的な物語で話題となり、私もレーザーディスクを購入した。
この作品の主題歌を担当したのはデヴィッド・ボウイである。
When the winds blows
https://www.youtube.com/watch?v=4cXO1ddrbuY

その後、何の気なしに『Black Tie White Noise』を買った。
『レッツ・ダンス』の６年後、ナイル・ロジャースをプロデューサーに迎えての作品であり、内容的にはデヴィッド・ボウイ最高傑作である。
　最初に軽やかに教会の鐘がなり、重々しい教会の鐘を導入に使った「ジョンの魂」を彷彿とさせる。そして、ドラムが入ってきて、ボウイのサックスが絡んでくる。アルバム全体を通しても充実した内容であり、魅惑のアルバムだ。　
　商業的にも、知名度も『レッツ・ダンス』が著名だが、ロックアルバムとしては『Black Tie White Noise』の方が数段上である。所謂、ロック界の金字塔とも言われる珠玉の名盤の一枚である。

　デヴィッド・ボウイを称して、「イギリスのマイケル・ジャクソン」とは言い得て妙であると考える。
　マイケル・ジャクソンはジョン・レノンの息子ジョーン・レノンや小野洋子との交流を境に激しいバッシングを受けた。マイケルはかなり強い政治的メッセージを込めた作品を発表し、ワールドツァー直前に、薬物のオーバードーズで死亡した。
　もっぱら暗殺されたと言われている。実父ジョセフ・ジャクソンは商業的な問題が絡んでいると指摘している。実際には誰と誰が暗殺を策謀していたのか定かではないとも発言している。

来日したジョセフ・ジャクソンが語る　マイケル・ジャクソン死の陰謀【インターネットテレビ】
https://www.youtube.com/watch?v=miyFOJTlBqg

　デビッド・ボウイもかつてジョン・レノンとの交流があり、共作も発表している。
社会学者ジョン・ウィナーの著書「Come Together」によれば、レノンの政治運動はベトナム反戦運動と結びつき、最終的にニクソン辞任への威力となったとしている。
　ウォーターゲート事件でニクソンは辞任に追い込まれたが、同時にジョン・レノンに対する盗聴事件も問題となっており、ワシントン・ポストはニクソン辞任と同紙面でレノン対する盗聴事件を報じた。FBIは500頁に及ぶ「レノンファイル」を作成し、徹底的に調査や圧力をかけた。レノンは1975年に活動停止に追い込まれている。
　レノンは1980年音楽シーンへ復帰後、「”血の七日間”のレバノンに滞在歴を持つ」デイビッド・チャップマンに射殺される。これも洗脳による謀略説が根強い。

　ボウイは2002年に『ヒーザン』、2003年に『リアリティ』と立て続けにアルバムを発表し、大規模なワールドツアーを開始する。その中で8年ぶりの来日公演も果たした。しかし、このツアー中にハンブルクにて動脈瘤による心臓の痛みを訴え緊急入院、残りの14公演を急遽中止した。
　ワールドツアーでは政治色の強い発言を行っている。ボウイの急病に対する謀略説を唱えるだけの証拠も何もないのだが、影響力の強いミュージシャンであるがゆえに、全くその可能性を否定できない。

　私自身はジョン・レノンの影響を強く受けているが、最近はミュージシャンの発言を注視することはない。なぜなら、実地に即して分析研究を行っている専門の研究者とは違い、ミュージシャンは抽象的な言説に留まるから、何か物足りないのである。
　だが、カリスマ性とその訴求力を帯びた言い回しは世の中の多くの人へ影響を与える。特に若者への影響は絶大である。

　例によって、大物ミュージシャンの死後、生前に行った政治的な発言は封殺され、「輝かしいキャリア」だけが一人歩きして、「本当に伝えたかったメッセージ」が伝わらないという状況が繰り返されるのだろう。

【訃報】世界的なミュージシャンのデヴィッド・ボウイさんが死去 69歳
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-9543.html
マイケル・ジャクソンはCIAに暗殺された？！
http://rockway.blog.shinobi.jp/%E6%88%A6%E7%95%A5/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%81%AFcia%E3%81%AB%E6%9A%97%E6%AE%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%EF%BC%9F%EF%BC%81