MOX燃料を使う関西電力高浜原発4号機は緊急停止に追い込まれた。

 2月20日、高浜原発4号機の原子炉補助建屋の配管から、放射性物質を含む冷却水が漏れ出した。配管の弁のナットの緩みが原因だったとされる。26日に再稼働し、29日タービンを回し、発送電を始めた直後に、発電機や変圧器の異常を知らせる警報が鳴り響き、原子炉は緊急停止した。建屋から白煙が上がった。関西電力によると、接続時(並列化時)に自動停止したことは初めてとのこと。4年7ヶ月停止していた関西電力高浜原発4号機は再稼働後すぐに停止を余儀なくされた。
 高浜原発周辺のモニタリング値に異常が出ている。原発事故で最初に出るのは、運転初期にあっては放射性希ガストリチウム・キセノン133・クリプトン85・ヨウ素131などのβ線核種だ。

 高浜原発4号機緊急停止のトラブルを受けて、福井県内の住民団体3団体が福井県に緊急申し入れを行った。調査委員会を設置し原因の徹底究明と県民への説明、3号機も運転を停めて検査を求めた。(1)

 高浜原発で使うウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料は1本約9億円と、通常のウラン燃料より数倍高価である。Puの比率は4-9%と言われ、ウラン燃料よりも制御が難しく、事故を起こした時の対人被害が大きい。「福島第一原発2011年3月20日3号機格納容器内爆発」はMOX燃料が原因となっている可能性が高い。今回の高浜原発4号機の事故もMOX燃料が原因である可能性がある。制御の難しいMOX燃料の使用は禁止されるべきである。
 MOX燃料が使われた福島第一原発3号機の格納容器破損に伴い溶融した核燃料が外部の黒煙となって放出された。千葉県東葛地域や江戸川区墨田区江東区などの東東京の汚染源は福島第一原発3号機由来である。α線核種が沈着し、環境中をまっている。中性子線の線量も平均値よりも高くなっており、対人被害は想像を絶するものとなる。
 MOX燃料は500年の冷却期間をおかないと、空冷状態にできない。500年前といえば、戦国時代の話しである。この500年の間の日本は幾度の巨大地震に見舞われてきたのだろうか。放射性廃棄物は10万年間地層処分しなければならないとするが、一定値に放射性量が減少するだけであり、安全になるわけではない。
 結局、原発廃炉や燃料の後処理に投入するエネルギー量を考えたら、EPR-Energy Profit Ratio (エネルギー収支比)で1を割る。つまり、投入したエネルギーよりも取り出せるエネルギーの方が小さい。

 現代人は電気を取り出して利得が有るかもしれないが、後世へツケを残すことになる。原発の生み出した汚染物質によって、遺伝子への対人影響のみならず、エネルギーの損耗が発生し、石油の減耗が激しくなった時に、文明の衰退に拍車をかける可能性がある。

 


(1)高浜原発4号機トラブルで福井県に申し入れ。予算決算委、私は11日に質問します
http://blog.goo.ne.jp/mmasaosato/e/f1dcd1c685d94a8812f6461bb6aa954a
高浜4号機緊急停止
http://www.dailymotion.com/video/x3v05rp